日本人ジャズは通称 ”和ジャズ”と呼ばれ、近年 以前にも増して中古レコードが熱い注目を集めています。それはレコード買取の世界でも例外ではありません。
10年前には和ジャズに特化したガイドブックが出版され、数年前には英国のレーベルからコレクターの手によって編集された和ジャズのコンピレーションアルバムが発売。その注目度は日本国内からだけでなく世界中からと徐々に広がりをみせています。
これまでよりも人気が更に高まったことにより、中古レコードの販売相場だけでなく多くの作品の買取額にも変化が。
ずばり、そんな和ジャズのレコードの買取額は果たして上がったのでしょうか?中古レコード買取専門店であるエコストアレコードが解説します。
文:福田俊一(Ecostore Records)
和ジャズとは?
近年、和ジャズという言葉をよく耳にするようになりました。和ジャズとは、日本人ジャズミュージシャンによる作品のことをいいます。主に1950年~80年代のもののことを指すそうです。
これまで、まさにその時代の日本人ミュージシャンのジャズ音楽は本場アメリカのジャズと比較されることが多く、日本人ファンにとってはその内容の良さが過小評価されてしまった傾向に。
つまり、必ずではありませんが、日本人が「聴きたい」と思うジャズはアメリカのジャズであることがどうしても多かったようなのです。
しかし、2000年以降、古い時代の日本人ジャズミュージシャンによるレコード作品が続々と再評価される風潮に。和ジャズと呼ばれ始めたのもこの時期です。そのブームの発信源はというとDJ、若い世代の日本人、そして海外のジャズファンでした。日本人ジャズ作品は、その魅力が彼らによってまさに再発見されているのです。
中古レコードにおいては、これまでの相場よりも遥かに上がったものが沢山あり、レコードを販売する金額(販売額)でも買取する際の金額(買取額)でも、その人気の影響は価格にも顕著に表れるようになりました。
気になる和ジャズのレコード、チラッと高額盤公開します
福居良 / メロー・ドリーム(Trio, 型番:PA-7182)
1977発表。
福居良は1948年北海道生まれのジャズピアニスト。その流麗なピアノのタッチからは到底信じられないのですが、彼はなんと22歳の時になってレコードを聴いて独学でピアノ演奏を会得したそう。27歳の時には名盤として名高いデビューアルバム『シーナリィ(Scenery)』をリリース。同作品は現在日本人ジャズミュージシャンによるレコードの中でも随一の人気を集めています。
本作『メロウ・ドリーム(Mellow Dream)』は彼にとって2枚目となるリーダー作。ファーストアルバムで見せたその豊かな表現力に更に磨きがかかった、類まれなる才能を存分に発揮した人気盤です。こちらも欲しがるファンが非常に多く、オリジナル盤であれば高額買取となる貴重なレコードです。
当店ではこちらの保存状態がやや悪かったものを4,000円で買取しました。状態が良いものであれば当然もっと高額での買取となります。
中村照夫 / ユニコーン(Three Blind Mice, 型番:TBM-19)
1973年発表。
同作はベース奏者、中村照夫が日本のジャズレーベル スリー・ブラインド・マイスへ吹き込んだ自身初となるリーダーアルバム。スティーヴ・グロスマン、アルフォンス・ムザーン 、ジョージ・ケイブルスら、新進気鋭の本場のミュージシャンを率いて録音した米国ニューヨークでの作品。
国内のみならず、世界中のDJからの熱視線を集める和ジャズ人気作品。
当店ではこちらの商品の帯と冊子が付属する状態が良好なものを10,000円で買取しております。
鈴木勲カルテット+2 / オランウータン(Three Blind Mice, 型番:TBM-44)
1975年発表。
1973年に同レーベルから『ブロー・アップ』を発表し、今なお和ジャズファンからは絶大な人気を誇るベース奏者、鈴木勲。本作はそんな彼のTBMから4枚目となった作品。ギタリスト渡辺香津美や歌手中本マリらが参加。
中古レコード専門店でも中々見かけなくなった非常に希少な一枚。
当店ではこちらの商品の帯と冊子が付属する状態が良好なものを10,000円で買取しております。
あなたのコレクションにも強烈なインパクトを残すこのオランウータンのレコードはありませんか?
細川綾子+今田勝カルテット / ノー・ティアーズ(Three Blind Mice, 型番:TBM-5005)
1977年発表。
細川綾子は1952年生まれのジャズシンガー。本作は彼女にとってTBMでの第2作目となった録音作品。ピアニスト今田勝をリーダーとしたバンドをバックに、彼女が生き生きとスタンダードナンバーを歌い上げます。
当店ではこちらの商品の帯と冊子が付属する状態が良好なものを18,000円で買取しております。
三保敬とジャズ・イレブン / こけざる組曲(MCA, 型番:JMC-5026)
1971年発表。
三保敬太郎は作曲や編曲など、多彩な才能を発揮したジャズピアニスト。こちらのアルバムは琴や尺八、そして鼓が奏でられた日本的な雰囲気を醸し出しつつ、ジャズに加えてロックの要素も絡み合った作品。希少性も相まって和ジャズきってのレア盤として有名な一枚。
当店では、こちらの商品で帯が付属していない状態良好品であれば60,000円での買取、帯付きの状態良好品であれば140,000円で買取しております。
これほどまでに高額なレコードが、もしあなたのご自宅の物置部屋で眠っているならだけ、今すぐにでも現金化しないのはもはや損だと言えるのではないでしょうか。
和ジャズのレコードは今が売りどき!
「日本人ジャズミュージシャンのレコード、あまり高く売れないのでは」とお考えですか?
正解はノーです。
近年の和ジャズブームもあり、昔から人気があるものも、そしてあまり知られていなかったものにも、未だかつてないほど熱い眼差しが注がれています。滅多にお目にかかれないレアな人気タイトルであればなおさら高額になる可能性も。
お部屋で眠る日本人ジャズミュージシャンによるレコード作品。その存在は覚えているけど、とにかく沢山あるし、処分するにしても重い腰をなかなか上げられずにいますね。
でも、エコストアレコードにお売りいただけるなら簡単です。各種買取サービスも用意しており、お客様がお持ちのレコードの量と内容に合った最も手軽な買取方法をご案内するので余計な手間も負担もかかりません。
聴かずにただ寝かせるだけなら、いっそのこと和ジャズブーム真っ只中の今こそ、当店にお売りいただくのが賢明です。
数多くの和ジャズ人気盤を買取している当店なら、きっとあなたにもご満足いただけるはず。
溢れるほどのレコード愛とともに、お客様が大切にしていたレコードを私共が丁寧に査定致します。
中古レコードの買取ならエコストアレコードにお任せください。
筆者: 福田俊一(ふくだ・しゅんいち)
FTF株式会社 制作部/販売部兼務。買取部門のコラムやnoteのほか、販売部門の特集コラムを執筆。大学卒業後にレコード収集に興味を持ち、約15年かけてジャズレーベル、ブルーノートの(ほぼ)すべてのLPをオリジナルで揃えた。