アート・ペッパー(Art Pepper)は1950年代から1980年代にかけて活躍したアルトサックス奏者です。特に1950年代に発表した作品は、ジャズファンから高く評価されています。破滅的な人生を送ったことでも知られており、晩年に発表された自伝は多くのファンに衝撃を与えました。この記事では、アート・ペッパーの経歴や人気のレコードについて詳しく紹介していきます。
アート・ペッパーの経歴に迫る
アート・ペッパーは、1925年にアメリカのカリフォルニア州で生まれました。1942年からプロとして活動を開始、スタン・ケントン楽団やベニー・カーター楽団などで活躍します。1952年には独立してソロ活動を開始、情緒的で哀愁漂う独特の音楽性を武器にたちまち人気スターの仲間入りを果たしました。1957年に発表した「Modern Art」は、アート・ペッパーの代表作の1つです。洗練された演奏が特徴のアート・ペッパーですが、私生活はとても荒れていたことでも有名です。日本でも翻訳版が発売された自伝「ストレート・ライフ」の衝撃的な内容は、ジャズファンの間で大きな話題となりました。
20歳のころにはすでに薬物やアルコールへの依存に悩まされており、キャリアを通じて逮捕と出所を繰り返しています。1960年代後半は薬物依存が一層強くなり、長期間リハビリ施設で過ごすことを余儀なくされました。1960年代以降は音楽性も徐々に変化し、晩年はジョン・コルトレーンを思わせる前衛的な演奏になります。晩年の音楽性の変化は、1950年代の情緒的な演奏を望むファンを驚かせました。アート・ペッパーが初来日したのは1977年のことです。日本でも人気が高いアルトサックス奏者なので、歓迎は熱狂的なものでした。アート・ペッパー自身も親日家として知られており、日本人歌手石黒ケイが1980年に発表したアルバム「アドリブ」に参加しています。1982年に、56歳で脳溢血により亡くなります。
買取市場で注目されているアート・ペッパーのレコードの特徴
アート・ペッパーは、幅広い年代から支持されているアルトサックス奏者です。アート・ペッパーの代表作として名高い「Modern Art」と「Art Pepper Meets the Rhythm Section」の2作品は、買取市場で安定した需要があります。また、1960年代以降に発表した作品にも注目が集まっています。また、1960年代に発表された「Smack Up」や「Intensity」といった作品も買取市場での注目作品です。1960年代の作品は、アート・ペッパーの音楽性が変化していく様子を確認できるアルバムとしてファンを中心に人気があります。
アート・ペッパーの人気レコード5選
Art Pepper Meets The Rhythm Section, Contemporary C3532
アート・ペッパーの全盛期とされる1950年代の作品の中でも、特に評価が高いのが「Art Pepper Meets The Rhythm Section」です。マイルス・デイヴィスのバンドでも活躍したベースのポール・チェンバース、ドラムのフィリー・ジョー・ジョーンズ、ピアノのレッド・ガーランドを迎えた、完成度の高い1枚です。録音状態がとても良いことでも知られている1枚で、オーディオファンからも高く評価されています。
Modern Art, Intro ILP 606
「モダン・アート」は1956年と1957年に録音された、アート・ペッパーの代表作の1つです。メロディが美しく聞きやすい作品なので、ジャズの入門用としても高い人気を誇ります。1曲目の「Blues In」は、数あるアート・ペッパーの演奏の中でも特に評価が高い演奏です。ほかにも、「Cool Bunny」や「Diane’s Dilemma」などが名演奏として評価されています。
Surf Ride, Savoy MG 12089
「サーフ・ライド」は、1952年から1954年にかけて録音されたアート・ペッパーの活動初期のアルバムです。活動初期ならではの、勢いがある演奏を楽しめるのが特徴になります。活動初期のアート・ペッパーを知ることができる、資料としての需要も高いアルバムです。
The Return of Art Pepper, Jazz: West JWLP-10
「The Return of Art Pepper」は、1956年に録音されたアート・ペッパー全盛期のアルバムの1つです。トランペットにジャック・シェルドンを迎えて、2管クインテットで収録されています。ラス・フリーマンやシェリー・マンといった、ウエストコーストジャズを代表するメンバーの演奏も評価が高いです。全盛期のアート・ペッパーを語る上で外せない作品なので、買取市場でも注目されています。
Art Pepper + Eleven: Modern Jazz Classics, Contemporary M3568
1960年にリリースされた「Art Pepper + Eleven: Modern Jazz Classics」は、アート・ペッパーとピアニストでプロデューサーであるマーティ・ペイチが共演したアルバムです。「Donna Lee」や「Round Midnight」といったジャズのスタンダードナンバーが、アート・ペッパーとマーティ・ペイチによって大胆にアレンジされています。ほかにも「Anthropology」や「Walkin’」などのアレンジもファンから高く評価されています。街中などでも耳にする機会が多い有名なナンバーが多数収録されているので、ジャズの入門用作品としても人気です。
アート・ペッパーのレコード買取ならエコストアレコードへ
アート・ペッパーは、アルトサックスの巨人として高い人気を誇るジャズミュージシャンです。特に1950年代の作品は評価が高く、コアなファンだけではなくジャズの初心者にも支持されています。アート・ペッパーが残した情緒的で繊細な演奏の数々は、これからも多くの人を魅了するでしょう。家で眠っているアート・ペッパーのレコードがあるならば、ぜひこの機会に買取の申し込みを検討してみてください。
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