吉村弘と聞いてもピンと来ない人も多いでしょう。しかし、知らないうちに吉村弘の作曲した楽曲を聞いたことがある人も多いはずです。アンビエントはじっくり聴くと言うよりは実用的な音楽で、パソコンの起動音や空港などのBGMなどとして流れています。アンビエントと日本のアンビエントの先駆けとなった吉村弘、買取で人気の吉村弘のレコードをご紹介します。
アンビエント(環境音楽)とは?
アンビエントは環境音楽と訳されます。リラックスするために聞く、鳥のさえずりや波の音などの自然の音のことではありません。しかし定義としては自然の音に近く、聞く人が聴くことを意識しないで聞ける環境に溶け込む音楽です。わざとダイナミクスは付けず、繰り返しやスローなテンポなどによって聞く人から意識されない音楽となっています。音の動きを最小限に抑えパターン化した音を繰り返すミニマルミュージックや、ドローンのようなアプローチが多用されます。ドロ-ンとは一定の持続する音のことです。多くは低音で、演奏する楽器や楽器の部分のことも指します。雅楽や、ビザンチン聖歌などにルーツを持つとされます。
アンビエントは1960年代から1970年代に生まれた音楽で、ピアノや弦楽器などで演奏されるほか、これらの楽器の音がシンセサイザーで再現されることもあります。アンビエントとシンセサイザーなどの新しい楽器が同じころに生まれたためで、アンビエントはシンセサイザーと親和性があります。フランスの作曲家エリック・サティの「家具の音楽」が起源とされ、1978年のブライアン・イーノのアルバムで「アンビエント」という名称が使われました。ブライアン・イーノは、「Windows95」などの起動音を作ったことで有名です。このアルバムは実用音楽として、実際に空港で使用されています。日本では1980年代後半にハウスやテクノといった音楽が流行し、それに伴ってニューエイジ・ミュージックの要素を持つアンビエントが「癒し系音楽」として認識されました。
アンビエント(環境音楽)の有名なアーティスト吉村弘について教えます
吉村弘は1940年生まれの音楽家で、日本の環境音楽の草分け的存在です。アンビエントだけでなくグラフィック・デザインやビジュアル・ポエトリー、自身の体を使った即興パフォーマンスなど幅広い分野で活躍しました。国立音楽大学や千葉大学などで非常勤講師を歴任したほか、美術館などで市民参加のワークショップにも取り組みました。TOA株式会社との共同施工で手がけた、音デザイン事業も多数あります。TOAは世界で初めて拡声器を開発したことで知られる、業務用の音響機器とセキュリティー機器の専門メーカーです。
代表作は、NHK邦楽委嘱作品「アルマの雲」です。アルマはスペイン語など、ラテン系の言語で「魂」や「心」を意味します。琴で演奏され、演奏時間は10分50秒です。日産スタジアム(横浜国際総合競技場)の音環境デザインや、神戸市営地下鉄海岸線の音デザインも手がけています。神奈川県立近代美術館の葉山館と鎌倉館では、開館時と閉館時に吉村弘の作った音楽が流れます。葉山館の音楽は、葉山の風や海に沈む太陽などを想起させます。鎌倉館の音楽は、鎌倉館の蓮池にインスピレーションを得て作曲されました。
アンビエントの草分け吉村弘の人気レコード作品
吉村弘の買取で人気のレコードをご紹介します。
「AIR IN RESORT(A・I・R)」LP型番SSD-1206
1984年に資生堂の「春の化粧品デー」でプレゼント用に製作された、非売品のレコードです。香水の販売促進のために作られ、もともとは「A・I・R」と書かれたグリーンのビニール袋に入れられていました。レコードは透明なビニールに入っており、グリーン(森)の香りの香水が付着しています。穴の周りにあるラベルはA面が森をイメージさせるグリーン、B面が海をイメージさせるブルーです。A面は「Forest Side」、B面は「Sea Side」で、「森の夜明け」「きらめく海」などのタイトルが各3曲ずつ入っています。曲の長さは4分から7分ほどです。
「Green」LP型番AIR-001
1986年にリリースされて以来、日本をはじめアメリカやイギリスなどでも多くのバージョンが販売されています。1985年から86年にかけてホームスタジオで録音されました。ジャケットには拡大されたシャコバサボテンの葉が使われ、ジャケットの全面を占めています。緑をテーマに「Creek」「Feel」「Sheep」など、全8曲が収録されています。シンセサイザーの柔らかな音色です。
「Pier & Loft」LP型番RFLP004
「Pier & Loft」は1983年にカセットテープで発売され、2017年に初めてレコードとしてリリースされました。ファッション・エキシビジョン「ピア&ロフト」のために製作した楽曲をまとめたもので、「Horizon I’ve Ever Seen Before」「Tokyo Bay Area」など7つの海を想起させる楽曲を聞くことができます。耳に残って、知らず知らずのうちに口ずさんでしまいそうな曲ばかりです。
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