高度なテクニックと感情豊かな演奏で、韓国クラシック界をけん引する女性ヴァイオリニスト、チョン・キョンファ(鄭 京和)。12歳という若さで韓国を飛び出し渡米、世界を舞台に活躍するトップ・ヴァイオリニストへ駆け上がりました。ここでは美人ヴァイオリニストとしても知られるチョン・キョンファの魅力と、買取市場で人気のレコードをご紹介します。
チョン・キョンファとは
1948年3月26日に韓国・ソウルで生まれたチョン・キョンファは、食堂を経営する両親の下、7人兄弟の4番目(三女)として誕生しました。幼い頃から音楽に対する類いまれなる才能を発揮し、わずか2歳で正確な音程とリズムで歌うことを覚え、ラジオの生放送で7曲の歌を一度も間違えずに歌い切ったという逸話が残っています。
4歳からピアノを習い始めたキョンファですが、4歳上の姉がヴァイオリンを習い始めたタイミングでヴァイオリンに転向するとその天性の才能が一気に開花、たった2回のレッスンを受けただけで曲を弾けるようになり、転向から8カ月でコンクールに入賞する快挙を成し遂げます。9歳でソウルフィルハーモニー管弦楽団とメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を協演し「天才ヴァイオリニスト」として脚光を浴びると、1960年に文化使節団の一員として来日、その演奏は日本の音楽家や評論家に衝撃を与えました。
その後、12歳になったキョンファはアメリカ留学中の兄の協力を得て渡米し、音楽の名門ジュリアード音楽院に入学します。ヴァイオリンの巨匠イヴァン・ガラミアンら名ヴァイオリニストから指導を受けて才能をさらに伸ばし、19歳のときにエドガー・レヴェントリット国際コンクールで第1位を獲得、その翌年には多くのヴァイオリニストを育てたヨーゼフ・シゲティに師事し、演奏に必要な表現力などの芸術全般に関する教えを受けました。
優れた演奏力に加えて芸術的表現力も学んだキョンファは、22歳でアンドレ・プレヴィンが指揮するロンドン交響楽団との演奏会に出演して念願のヨーロッパデビューを果たすと、イギリスのデッカ・レコードと契約、活動の場を世界に移して年間100回以上の演奏会を開くトップ・ヴァイオリニストとなります。また、キョンファのすぐ上の姉でチェリストの「ミョンファ」と、指揮者、ピアニストでもある三男の「ミョンフン」と結成した「チョン・トリオ」としても活躍しました。
精力的に演奏活動とレコーディングに励むキョンファは、1984年37歳でイギリス人の実業家と結婚しました。息子2人の出産に伴い一時期活動を休止しますが、復帰後は精神的にも円熟期を迎え、つややかな音色で聞き手を惹きつけるような演奏は世界中のファンを魅了しました。
ところが2005年に指をケガしてしまったキョンファは、それ以降5年間にわたりヴァイオリンを弾けない状況に陥ってしまいます。しかし音楽に対する情熱は失っておらず、その間は数多くの若手ヴァイオリニストの育成に当たるなど、後進の指導に精力を注いでいました。そして2010年に復帰すると、それまでの情熱的で激しいイメージの音色から優しく情感のこもった音色を奏でるようになり、新たなファンを獲得します。2013年6月には15年ぶりの日本公演を行うなど、現在も精力的な音楽活動を続けています。
買取市場で人気が高いチョン・キョンファのレコード3選
チャイコフスキー/シベリウス:ヴァイオリン協奏曲集(DECCA SXL.6493)
1970年にレコーディングされた、デビューアルバムのチャイコフスキー/シベリウス・ヴァイオリン協奏曲です。ロンドン交響楽団との演奏で、その高度なテクニックと情感にあふれた表現力は、音楽関係者からも高い評価を受けました。未来のトップ・ヴァイオリニストへの予感を感じさせてくれる1枚です。
衝撃の東京ライヴ第2夜(1998年4月28日)(King International KKC1058/1059)
1996年4月28日に行われた、記念すべき来日初公演の2日目を収録したアルバムです。26日に行われた公演初日もレコード化されていますが、2日目は演奏予定に入っていなかったバッハの「G線上のアリア」を冒頭に演奏し、詰めかけた観客を驚かせました。ピアニストのイタマール・ゴラン」との呼吸もぴったりで、チョン・キョンファのライブ史上最高の演奏と評価の高いアルバムです。2枚組の数量限定プレスとなっています。
ベートーヴェン/ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲(Warner Classics 9029633375)
チョン・キョンファの希望により録音が実現したこのアルバムは、会場の空気感がそのまま伝わってくるような、ライブならではのスケールの大きさが感じられる1枚です。彼女の奏でるヴァイオリンの透き通った旋律は、聴く者の身を引き締めるような崇高さを感じさせます。聴衆の鳴り止まない拍手が「聴いてよかった」と思わせてくれる1枚です。ベートヴェンは1989年、ブルッフは1990の録音で、このアルバムも2枚組の数量限定プレスです。
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