スラッシュ・メタルの四天王であり、エクストリームメタルの原点でもあるスレイヤー(SLAYER)。アグレッシブな音楽を貫き通し、恐るべきギターテクで殺人や拷問、悪魔というワードを叫ぶ姿から4バンドの中でも最凶と言われています。トム・アラヤの重厚感あるヴォーカルに色濃く重なっていくタッピングやビブラート。まさに疾風のごとく奏でられる楽曲は、野生を喚起する芸術と言ってよいでしょう。
スレイヤーとは
1981年にケリー・キングとトム・アラヤを中心に結成されたスレイヤー。結成当時は「ドラゴンスレイヤー」というバンド名でアイアン・メイデンなどのカバーバンドとして活動していました。後にアイアン・メイデンのカバーを演奏を行う彼らを見たアメリカの名門メタルレーベル「メタル・ブレイド・レコーズ」に見いだされ、1983年当レーベルより「ショウ・ノー・マーシー」でデビューを飾ることとなります。当タイトルは、全世界で4万枚以上の売り上げを記録。メタル・ブレイド・レコーズのリリース作品で当時最も売れたアルバムとなりました。
続いて1985年発売の「ヘル・アウェイツ 」もヒット。スレイヤーはメジャーレーベルへオファーを受け移籍することとなります。翌年リリースした「レイン・イン・ブラッド」は当初歌詞が過激すぎるという理由で発売が危ぶまれた作品としても有名です。最終的に別レーベルからリリースしますが、イギリスのWEA(労働者教育協会)は当タイトルの発売を拒否。ラジオでのエアプレイなども一切行われませんでした。
しかし作品はヒットし、ビルボード誌のアルバム・チャートで最高50位台を記録。「悪魔」や「血の雨」など彼らの原点ともいえるワードが散りばめられた当タイトルは、後のライブでもセットリストに挙げられることが多く見られています。
この騒動を受けスレイヤーは翌年発表した「サウス・オヴ・ヘヴン 」では作風を一転。スレイヤーらしからぬスローテンポの曲やメロディアスな楽曲を数多く収録します。当タイトルは当時セールス的に最も成功したアルバムでしたが、しかし評価は完全に2分しました。ちなみにケリーは「最も活気の無いアルバムだ」と酷評しています。
後にスレイヤーのコンセプトも変化していき、「宗教」や「復讐」などといった人間の内面的部分を掘り下げる作風となっていきます。2006年リリースの「クライスト・イリュージョン 」はビルボード初登場5位を記録。さらに当タイトル収録作品「Final Six」は第50回グラミー賞の最優秀メタル・パフォーマンス部門を受賞し、名実ともに彼らの名を世界に轟かせる名盤となりました。
しかし2019年にはついに活動停止。スレイヤーの活動は、前年に宣言していた通りに38年の歴史に幕を閉じることとなったのです。アメリカらしさを存分に感じさせてくれた過激なスラッシュメタル・バンド。彼らの残した痕跡は今も多くのオーディエンスの心に刻み込まれています。
買取で人気なスレイヤーのレコードの特徴
買取で人気があるスレイヤーのレコードとしては、まず限定盤が挙げられます。2015年リリースの全世界3000セットの完全限定盤で発売されているものは、新作ながらも希少価値が高いタイトルとなっています。また、スレイヤーのレコードは、輸入盤も人気が高くなっています。
スレイヤーの人気タイトル紹介
「Hell Awaits / US盤限定ピクチャーディスク / MXPD 8020」
US盤限定である当タイトルは、初期スレイヤーの魅力がたっぷり詰まった秀作です。ジャケット背面からは、若かりし日のメンバーのアー写を見る事ができる希少なタイトルとなっています。当タイトルから「地獄」、「悪魔」などが彼らのテーマとなり、後のスレイヤーの原形ともなった作品です。ジャケットの凄まじい描写と盤のデザインが一体化し、彼ら独自の世界観を漂わせています。
「God Hates Us All / B0018850-01」
2001年発売の当タイトルも、買取市場で評価が高い人気の逸品です。当アルバムからスレイヤーの代名詞ともいえる「悪魔」や「地獄」といったテーマから脱却し、「宗教」や「殺人」、「復讐」などという現実に即した世界観を表現し始めています。ギターのケリー・キングは、「ヘヴィメタルの歌詞にありがちな悪魔がどうこうとか、迷宮やドラゴンがどうこうとかではなく、より現実的な事を深く追求したかった」と当アルバムへの思いを語っています。歌詞の変化と同様に、ジャケットのデザインもシンプルかつ洗練されたデザインとなっているのが印象的なタイトルです。
「Repentless / NB 3359-1」
2015年に発売されたスレイヤーの11作目となるRepentlessは、2013年にジェフ・ハンネマンの亡き後、初のリリースとなったアルバムです。当タイトルは通常のCDとしても発売されています。また限定盤はアナログ盤以外にも、スペシャル・エディションやボックス・セットなど全世界3000セット限定でリリースされている作品です。ちなみに収録曲である「ピアノ・ワイアー」は、ジェフ・ハンネマンが手がけた曲でもあります。
スラッシュメタルの一角として君臨したスレイヤー
スラッシュメタルの一角として君臨したスレイヤーは、メタリカなどの王道バンドと肩を並べるほどの一流ミュージシャンでもあります。過激な面が印象に残りますが、実は奥深い芸術性を携えたバンドでもあったのです。スレイヤーのレコードは安定した人気タイトルが多いです。もしご自宅に聴かなくなったスレイヤーのレコードがあるのなら、是非エコストアレコードで買取査定してみてはいかがでしょうか。
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