アイアン・メイデン(Iron Maiden)が登場した1980年代のイギリスは、ヘヴィメタル・ハードロック・バンドが激しくしのぎを削っていました。その中でアイアン・メイデンは、存在感・演奏力・楽曲構成力のいずれにおいても頭抜けた才能を発揮し、ついにはヘヴィメタルの代名詞として語られるまでになりました。アイアン・メイデンがどのようなバンドで、どんなレコード作品が買取人気が高いのか解説してみましょう。
アイアン・メイデンとは?
「アイアン・メイデン」とは「鉄の処女」と呼ばれる拷問器具を意味しています。このおどろおどろしい名前のバンドは、1975年のロンドンに生まれました。中心となったのはスティーヴ・ハリス(B)です。当時はメンバーが安定しませんでした。しかし、1978年にポール・ディアノ(Vo)とデイヴ・マーレイ(G)が加入したことによって、バンドの活動が軌道に乗り、メジャーレーベルであるEMIと契約を結びます。
続く1979年にクライヴ・バー(Dr)、1980年にエイドリアン・スミス(G)がバンドに参加します。同年、1stアルバム「鋼鉄の処女(Iron Maiden)」を発表。翌年1981年に2ndアルバム「キラーズ(Killers)」をリリース。これらのアルバムは、パンク以降の新時代を象徴する作品として、若者を中心に高い評価を得ました。パンクが持つ軽快さと攻撃性、地を打ち鳴らすような音の重厚さ、プログレッシブ・ロックを感じさせる芸術的な楽曲構成、これらを合わせ持つアイアン・メイデンは、新時代の旗手として注目を集めます。
当時の、イギリスの音楽シーンは「NWOBHM」(New Wave Of British Heavy Metal)ムーブメントと呼ばれる、ハードロック・ヘヴィメタルの躍動の時代でした。新しい音楽を求める声にこたえるかのように、さまざまなハードロック・ヘヴィメタルのバンドが登場しました。その中で順調に滑り出したアイアン・メイデンは、ポール・ディアノを解雇し、ブルース・ディッキンソン(Vo)をスカウトします。なお解雇の理由は、ポール・ディアノのパンク的な歌い方がバンドの目指す方向性と違っていたから、といわれていますが、その理由は明らかにされていません。しかし、ブルース・ディッキンソンの加入によって、バンドは大きく飛躍します。
3rdアルバム「魔力の刻印(The Number Of The Beast)」では、ブルース・ディッキンソンのきらびやかなハイトーンと表現力が大いに発揮されました。この作品は、イギリスのアルバムチャートで1位を獲得しました。この作品からアイアン・メイデンからは、パンク的な要素が薄れていき、洗練されたメロディとギターワークが中心の楽曲となっていきます。
クライヴ・バーに代わってニコ・マクブレイン(Dr)が加入し、4thアルバム「頭脳改革(Piece Of Mind)」が発表されました。さらに5thアルバム「パワースレイヴ(Powerslave)」、6thアルバム「サムホエア・イン・タイム(Somewhere In Time)」を発売。これらは非常に好調なセールスを獲得し、3作ともにアメリカにおいてプラチナディスクとして認定されました。続いて発売した7thアルバム「第七の予言(Seventh Son of a Seventh Son)」では、再びイギリスのアルバムチャート1位を獲得します。この時期の成功によって、アイアン・メイデンの名前はヘヴィメタルの代名詞として、世界中に知れ渡るようになります。
ブルース・ディッキンソンは、アイアン・メイデンのフロントマンを1992年まで続けました。しかし、音楽的な意見の違いからバンドを脱退。後任にはブレイズ・ベイリー(Vo)が選ばれました。1990年代も半ばとなったころ、ヘヴィメタルのムーブメントが過ぎようとしていました。この時期にアイアン・メイデンは、2枚のアルバムを発表します。「X ファクター(The X Factor)」はイギリスのアルバムチャートで8位、「ヴァーチャル・イレヴン(Virtual XI)」は16位でした。好セールスではあるものの、時代の変化もあり、これまでのような売れ行きではありませんでした。
1999年、ブレイズ・ベイリーがバンドを離れ、再度ブルース・ディッキンソンがボーカルとしてアイアン・メイデンに復帰します。なお、この時期からバンドは、デイヴ・マーレイ、エイドリアン・スミス、ヤニック・ガーズの3人によるトリプル・ギター体制となりました。2006年に発表した「ア・マター・オブ・ライフ・アンド・デス(A Matter Of Life And Death)」は世界10カ国でアルバムチャート1位、2010年の「ファイナル・フロンティア(The Final Frontier )」では全世界28カ国で1位を獲得しました。
買取現場で人気があるのはどんなレコード?
アイアン・メイデンは非常に作品数が多いバンドです。2021年の時点で、スタジオ・アルバムが16枚、ライブ・アルバムで7枚、シングル作品は40枚発売されています。どの作品も高い市場人気があるので、売ってもよいと考えているレコードがあるなら、すぐに買取へ出すことをおすすめします。アイアン・メイデン作品のなかでも、ライブ・アルバムやコンピレーション作品は特に人気が高いです。また、作品を年度でまとめたBOXセットや、特典付きで発売されたレコードは、コレクターアイテムとして買い求めるファンがたくさんいます。
買取価格が期待できる?人気のあるアイアン・メイデンのレコード作品を紹介
「purgatory UK盤 /EMI 5184」
「purgatory」は2ndアルバム「キラーズ」からシングルカットされた、アイアン・メイデン初期のパンク色が強い作品です。疾走感のある階段を駆けあがっていくようなギターリフに、ポール・ディアノの吐き捨てるような攻撃的な歌唱がよくマッチしています。ベースによってアンサンブルをけん引する、アイアン・メイデン独特の演奏スタイルは、この時期にすでにでき上がっていたようです。この曲は、初期作品が好きなファンに根強い人気があります。レコードで買い求める人も多いため買取現場で注目されやすいです。
「IRON MAIDEN / EMC3330」
アイアン・メイデンのデビューアルバムです。アイアン・メイデンのライブやグッズに登場するマスコット・ゾンビ「エディ」が、このジャケットで初めて描かれました。エディの作者はイギリス人のデレク・リッグスです。どこかとぼけた感じにも見えるエディの姿は、ファン以外にも広く人気があります。1stアルバムのエディは特に評判が良く、この図柄を求めてレコードを買い求める人は後を絶ちません。
「Live After Death LP レコード 輸入盤 / 0825646248650」
邦題は「死霊復活」。1985年に発売されたアイアン・メイデン初のライブ・アルバムです。当時の楽曲によるベスト・アルバムといえる構成になっています。そのため、これからアイアン・メイデンを聞いてみようと考えている人が、買い求めることが多いようです。1984年に行われたハマースミス・オデオン(ハマースミス・アポロ)でのライブが音源になっています。
アイアン・メイデンは21世紀も叫び続けるヘヴィメタル・バンド
21世紀に入ってからも、アイアン・メイデンは精力的に活動を続けています。ヘヴィメタルのムーブメントが去った時代であっても、そのサウンドの勢いは失われていません。これからも多くの人が、アイアン・メイデンのレコードを買い求めることでしょう。そのため、レコード買取現場では、アイアン・メイデン作品を大量に求めています。アイアン・メイデンのレコードを持っていませんか?買取のお申し込みをお待ちしております。
※本サイトに掲載されている記事の著作権はFTF株式会社に帰属します。投稿した記事のリライトの可能性が高い場合は顧問弁護士と協議の上、即日中に法的な処置を行います。