レコード買い取りと一言でいっても、状態以外にも大きな価格差が生じる要素があるのをご存知ですか?
例えば、 50年前に出されたレコードと、全く同じアルバムの最近再発売されたバーコードが印刷されたようなレコードであればどちらの方が買取価格も販売価格が高額なのか想像しやすいのではないでしょうか。
もちろんこの場合でより高額なのは、その珍しさと貴重さから前者の50年前に出されたレコードということになります。
日本盤のレコード=買い取り額が安いは間違い
「亡くなった父親が集めていたジャズのレコードのコレクション。レコード買取業者へ売ってしまおうか家族の間で相談しているのだけれど、定価2,000円とカバーに書いてあるような日本盤だし、あまり高額にはならないのでは…」
例えば、今から50年前に発売されたアメリカのジャズのレコードに対して、今から30年前に日本のレコード会社から発売された国内盤は厳密には再発盤という部類に入るでしょう。
しかし、その日本国内盤の中にも貴重なオリジナル盤が実は存在します。
つまり、外国のレコード会社の音楽であっても、もしくは外国人アーティストの音源であっても、世界中で日本のレコード会社が企画・制作したものがあるのです。
好きなものには一生懸命とことんこだわってしまうマニア気質の日本人の国民性からでしょうか、世界で初めて世に出回らせた発掘音源なども実は数多く存在します。
当然、そのようなものは日本盤がオリジナル盤になる、ということです。
熱心な日本人によって世に送り出されたレコード作品
数十年前も、そしてこれからの数十年後も、決して変わらぬ事実が一つあります。
それは、世界中のレコードファンにとって「オリジナル盤は貴重である」という認識と、その認識に基づく、たとえアメリカの音楽が発売されたのが日本であっても”世界で初めて世に出た音源”という不変の価値です。
そんな歴史上 日本のみで発売された貴重な音源を、ジャズを例に挙げて3つほど紹介します。
ソニー・クラーク / マイ・コンセプション
品番:GXF 3056
1959年米国にて録音。
1979年発売 ブルーノート
クラークは縁の下の力持ちのような存在のミュージシャンで、本国アメリカでは一流ピアニストとしては一般的にはあまり認知されることはありませんでした。
その腕が正当な評価を与えられる前に若くしてこの世を去ってしまったため、数えられるほどしかリーダー作品はありません。日本人がクラークの腕前を世界で最も評価した国といわれる理由は、お蔵入りになってしまったこのアルバムに陽の目を浴びせたことからもわかるでしょう。
豪華なメンツが参加したにもかかわらず発売されなかったことには世界中のジャズファンが思わず首を傾げてしまうくらいの貴重な一枚です。
ハービー・ハンコック / ダイレクト・ステップ
品番:30AP 1032
1978年東京にて録音。
1979年発売 CBS/Sony
世界中でフュージョンが絶大な人気を誇っていた70年代から80年代にかけて、その最前線で活躍したハンコックの日本での録音音源。
曲こそ既に本国アメリカで発表されていた3曲ですがこの作品のために再度収録されたため、このアルバムでしか聞けないアレンジが施されています。
我が国でも未だに高い人気がある一枚でもあります。
アン・バートン / 雨の日と月曜日は
品番:PAP-25040
1977年録音・発売 トリオ
オランダ人女性ジャズヴォーカリスト、バートンの日本で録音されたスタジオアルバム。こちらも当時日本でしか発表されませんでした。
日本盤オンリーの作品は世界中から高い人気がある
外国人アーティストの日本国内盤は必ずしも再発盤というわけではありません。今回紹介したように日本盤がオリジナル盤となるものがあるのです。
たとえ50年前の録音音源であっても、日本が世界で初めて音楽ファンが楽しめるように発売したレコードは大変貴重なものなのです。
ご家族が大切にしていたレコードのコレクションの中にもきっと高額で買い取りされる稀少な一枚があるはずです。
大切に愛されたそのコレクションの中から、ジャパン・オンリー(JAPAN ONLY)を探して次の愛好家の元に届ける手助けを、レコードや音楽の知識が豊富なエコストアレコードにぜひともお任せください。