中古レコード買取でよく持ち込まれるジャズのアーティスト、ジョン・コルトレーン(John Coltrane)。1950年代~1960年代のモダンジャズのミュージシャンとしては絶大なる人気を誇るカリスマ的なサックス奏者です。
レコードの世界では彼はよく売れるアーティストで、オリジナル盤でも再発盤であっても、廃盤専門店では高い頻度で見かけます。つまりそれはジャズ愛好家から需要が高く、人気もあるということ。
よく売れるということはレコードも過去に沢山流通したため、当店でもお客様から買取のご依頼を多く頂戴いたします。
コルトレーンのレコードで高値で売れる作品にはどのようなものがあるのか、知ってみませんか?
当店が実際に買取した時の査定額も交えてレコード作品をいくつかご紹介します。
文:福田俊一(Ecostore Records)
ジョン・コルトレーンとは?
ジョン・コルトレーン(John William Coltrane)は1926年、米国ノースカロライナ州で誕生。10代の頃にクラリネットを始めたのをきっかけに、のちにアルトサックスも演奏するように。
1949年にトランペット奏者、ディジー・ガレスピーのバンドに参加したあと、テナーサックスへとその楽器を持ち替えました。
1950年代半ばにマイルス・デイヴィスのバンドに抜擢され大活躍。彼の名作「カインド・オブ・ブルー(Kind Of Blue)」にも参加し、サックス奏者として高い評価を得ました。
マイルスの元を離れたあと、プレスティッジから初リーダーアルバム『コルトレーン(Coltrane)』を発表。その翌年には偉大なジャズアルバムとして知られる『ブルー・トレーン』をブルーノートからリリース。さらにその翌年1959年にはアトランティックから『ジャイアント・ステップス』もレコーディングし、モダンジャズの歴史に文字通り”大きな足跡”を残しました。
その後インパルスへと移籍し、精力的に作品を吹き込んでいくように。同レーベルではそれまでのコルトレーンの音楽性であったストレートアヘッドなジャズから脱却、フリージャズにインスパイアされた作品を残すようになり当時のジャズシーンに大きな衝撃を与えました。
体調不良に悩まされながらも辛うじて音楽活動を続けていたコルトレーンは肝臓がんを患い、1967年、40歳という若さでこの世を去りました。
買取額○○万円?コルトレーンの貴重なレコード
ジョン・コルトレーンのレコードにはオリジナル(初版)であればとても高い金額で売れる作品が多数あります。再発盤だと枚数も多く製造されているため中古商品としての価値は下がってしまいますが、発売当時のオリジナル盤が貴重なことはこれからも変わらないため、中古市場では安定して高い金額での買取となることが多いと言えます。
ここで高く売れるコルトレーンの人気作品をいくつかご紹介しましょう。
John Coltrane / Blue Train(Blue Note, 型番:BLP 1577)
1957年発表。
言わずと知れた、モダンジャズ名盤中の名盤。コルトレーンを含む管楽器が3人編成、バックを務めるリズムセクションも申し分ないメンツが参加しており安定感バッチリな演奏を披露。収録曲はスタンダード1曲以外は全てコルトレーンのオリジナル。
コルトレーンはブルーノートのレコーディングにおいて客演(ゲスト参加)した作品こそ3つありますが、自身のリーダー作はこの1つのみ。その完成度と演奏の凄まじさはジャズ界で唯一無二の存在です。
売れた作品なだけあり再発盤は非常に多く見かけますが、発表当時の貴重なオリジナル盤は中古市場で滅多に見かけない大変希少なレコードであるため高価買取となります。
当店ではこちらの商品のジャケットの状態が悪く、盤面にもキズが目立つものを38,000円で買取しました。保存状態が良好なものであれば200,000円で買取しています。
John Coltrane / Soultrane(Prestige, 型番:PRLP 7142)
1958年発表。
プレスティッジ期のコルトレーンの代表作。共にマイルス・デイヴィスのバンドに在籍していたレッド・ガーランド(p)とポール・チェンバース(b)、そしてハードバップ時代に最も活躍したドラマー、アート・テイラーらと録音したワンホーン作品。「アイ・ウォント・トゥ・トーク・アバウト・ユー」など収録。
プレスティッジはブルーノート、リバーサイドと並んでジャズ3大レーベルに数えられ、高額になるレコード作品が多くあります。
この『ソウルトレーン』もその例外ではなく、コルトレーンの初期リーダーアルバムの中では高価買取となります。
当店ではこちらの商品のやや劣化があるものを16,000円で買取しました。きれいであればもっと高額となります。
John Coltrane / My Favorite Things(Atlantic, 型番:SD 1361)
1961年発表。
コルトレーンがソプラノサックスで演奏する「マイ・フェイバリット・シングス」収録でも有名な、アトランティックからリリースした作品。その人気はコルトレーンファンに留まらず、「モダンジャズといえばこの一枚」というほどジャズ好きにとっては高い知名度を誇ります。
このタイトルは多くのジャズファンが知っている反面、レコードのオリジナル盤はあまり出回るものでもないため買取では高値が付きます。※上の画像はオリジナルではなく、セカンドプレス(2回目のプレス)。
John Coltrane & Milt Jackson / Bags & Trane(Atlantic, 型番:SD 1368)
1961年発表。(録音は1959年)
モダン・ジャズ・カルテットのヴィブラフォン奏者、ミルト・ジャクソンとのコラボ作品。コルトレーンのテナーサックスの力強さとジャクソンのヴィブラフォンの穏やかさの対比が興味深いどの収録曲も名演と呼ぶに相応しいアルバムです。
John Coltrane / Live At The Village Vanguard(Impulse!, 型番:A-10)
1962年発表。
コルトレーンは生涯で3つのレーベルから作品を発表。最初はプレスティッジ、その後にアトランティック、そしてインパルスへと移籍しました。
本作ではアルトサックス奏者、エリック・ドルフィーを迎えて名門ジャズクラブ・バードランドでの熱いライブパフォーマンス。スタンダード曲「朝日のようにさわやかに」での軽快な演奏は、まさにキャリア最高潮に達したコルトレーンを見事に表しています。
インパルスからはこの作品の他にも1965年作『至上の愛(原題:A Love Supreme)』もリリースされており、中古レコードの買取においては高くなる作品が同レーベルには多くあると言えるでしょう。
コルトレーンのレコード買取はエコストアレコードまで
エコストアレコードはこれまでにもジョン・コルトレーンの中古レコードを沢山買い取っています。
彼の音楽作品にはジャズファンの間で不動の人気があるため高く買取できるものがあります。
しかし、貴重なものか否かはレコードに詳しい人間でなければ分かりません。ネットオークションを通してご自身で高値で売るには、専門的な情報提示が必要不可欠となります
そのため、発売年も特定できるほど詳しい中古レコードのプロに買い取ってもらうのが実は得策なのです。当店にはジャズの専門知識に長けた経験豊富な査定スタッフが在籍しています。その査定額にはきっとあなたもご満足いただけるでしょう。
ジャズ界の偉人ともいえるサックス奏者、ジョン・コルトレーンのレコードを売るならエコストアレコードに任せていただくのが一番です。
買取をご検討であれば当店受付スタッフまでお気軽にご相談ください。
筆者: 福田俊一(ふくだ・しゅんいち)
FTF株式会社 制作部/販売部兼務。買取部門のコラムやnoteのほか、販売部門の特集コラムを執筆。大学卒業後にレコード収集に興味を持ち、約15年かけてジャズレーベル、ブルーノートの(ほぼ)すべてのLPをオリジナルで揃えた。
※本サイトに掲載されている記事の著作権はFTF株式会社に帰属します。投稿した記事のリライトの可能性が高い場合は顧問弁護士と協議の上、即日中に法的な処置を行いますのでご了承ください。