チャーリー・パーカー(Charlie Parker)はジャズのアルトサックス奏者・作曲家で、「ヤードバード」の異名を持ち「バード」の呼び名でも親しまれました。34歳という若さで亡くなったにもかかわらず、現在も洋の東西を問わず聞かれ続けているチャーリー・パーカーの、買取市場で人気となっているレコードの特徴と人気のタイトルをご紹介します。
チャーリー・パーカーの経歴を紹介
「オーニソロジー」や「ナウズ・ザ・タイム」などの曲で知られるチャーリー・パーカーは、1920年8月20日にカンザス州のカンザスシティで生まれました。育ったのはミズーリ州のカンザスシティです。幼少期にはずば抜けた音楽の才能は見られませんでしたが、パーカーの父であるチャールズ・パーカー・シニアはTheatre Owners Booking Association(劇場所有者予約協会)のピアニスト・ダンサー・歌手として働いていたため、幼いパーカーに音楽的な影響を与えたと言われています。パーカーがサックスを演奏するようになったのは11歳のころです。14歳になると、高校のバンドに参加してバンドマスターに師事します。
高校を中退した直後から地元のミュージシャンの組合に参加し、即興演奏の基本を教えてくれた若いトロンボーン奏者ロバート・シンプソンに大きな影響を受けました。同時に1日15時間にも及ぶ練習を、3年から4年間続けたとのちのインタビューで語っています。このころに、ビバップの開発につながるいくつかのアイデアも得ました。ビバップは1940年代初頭からアメリカで開発されたジャズのスタイルですが、パーカーも開発の第一人者です。ビバップには速いテンポや急速なコード変化、複雑なコード進行などの特徴があります。
1936年7月に、パーカーは幼馴染のレベッカ・ラフィンと最初の結婚をします。この年の秋に遭った交通事故でパーカーは3本の肋骨と背骨を骨折しましたが、治療のために使用したモルヒネがパーカーの命を縮めることとなる薬物依存へとつながりました。18歳になったパーカーが出会ったのが、16歳年上のバスター・スミスです。バスター・スミスはパーカーからキングと呼ばれ、パーカーの演奏スタイルに影響を与えました。
パーカーは、1938年にピアニストのジェイ・マクシャンのバンドに加わりプロとしてレコードデビューを飾ります。パーカーにヤードバード(ニワトリ)のニックネームを付けたのは、このバンドでした。1942年にバンドを去りビバップの開発に乗り出しますが、1944年までの2年間はすべての商用録音が禁止されていたため、レコーディングできるようになったのは1945年のことです。マイルス・デイビスを自身のバンドに起用するなどパーカーは時代のトップランナーとなっていましたが、ヘロインへの依存は深刻化していました。1946年のディジー・ガレスピーとのハリウッド・ツアーの際には、ホテルのシーツに火をつけるなどして一時的に投獄されたあと6か月間精神病院に入院しました。
1945年から46年にかけてのパーカーの演奏は、大量に録音されて残っています。1947年にはチャーリー・パーカー・クインテットも結成しました。1951年までのこの時期がパーカーの黄金期です。1955年に亡くなるまでの間にも「プレイズ・コール・ポーター」などの録音を残していますが、そのほとんどがプライベート録音です。34歳のパーカーはホテルの一室で亡くなっているところを発見されましたが、検視官の出した推定年齢は50歳から60歳でした。ニューヨークの至る場所に、訃報を聞いたファンの書いた「バードは生きている」の文字が残されていました。
チャーリー・パーカーの人気レコードの特徴
チャーリー・パーカーの長年の夢は、弦楽器とのセッションでした。単に弦楽器をジャズの演奏に加えるのではなく、クラシックの要素を盛り込もうとしました。これを聞いたジャズのレコードプロデューサー、ノーマン・グランツは聞いたことがないほどよいアイデアだと思い1949年にレコーディングをセッティングしました。温かく伸びのある音色が楽しめ、何度聞いても聞き飽きないと評判です。同じくノーマン・グランツのプロデュースで、多くの人気アーティストと収録したジャズのセッションも聞きごたえたっぷりです。
買取市場で注目されているチャーリー・パーカーのレコード、人気タイトルを紹介
With Strings, Mercury 型番:MG 35010
チャーリー・パーカーが遺した不朽の名演奏の一つに1950年に発表した「With Strings」があります。本作はクラシックに興味を持っていたチャーリー・パーカーが、ジャズにクラシックの要素を加えて弦楽器とセッションしたいという夢を叶えた1枚です。通常のバンド編成とは一味違う、弦楽に寄り添うように響くパーカーのサックスが楽しめます。年代も非常に古い時代のものであるため、現存する個体も少なく、状態良好品となるととてつもなく貴重なレコードとなります。
Norman Granz’ Jam Session #1, Mercury 型番:MGC-601
ハリウッドで収録されアルトサックスのベニー・カーターやジョニー・ホッジス、テナーサックスのベン・ウェブスターやジャズピアニストのオスカー・ピーターソンなど錚々たるメンバーが顔を揃えた逸品です。1952年にスタジオ録音されました。こちらも同様に状態が良ければ大変高価な価値を持つレコードです。
チャーリー・パーカーの色褪せない演奏が収録されたレコードを売るならエコストアレコードへ
バードのニックネームで親しまれビバップを生み出したチャーリー・パーカーは、薬物中毒に苦しみながらも晩年までサックスの演奏をやめませんでした。家に眠っているパーカーのレコードは、売却することで別の誰かに聞いてもらうことができます。買取を考えるなら、専門知識と経験が豊富なスタッフが揃うエコストアレコードへぜひお持ちください。
※本サイトに掲載されている記事の著作権はFTF株式会社に帰属します。投稿した記事のリライトの可能性が高い場合は顧問弁護士と協議の上、即日中に法的な処置を行います。