クラシック界の名匠の演奏は、時代を超え、老若男女に人気があります。その一人といえるのがヴィルヘルム・フルトヴェングラー(Wilhelm Furtwängler)でしょう。フルトヴェングラーの演奏を聴いて、クラシックのとりこになったという方も少なくありません。では、フルトヴェングラーはどんな人物なのでしょうか。フルトヴェングラーの魅力とともに、知っておきたいレコードの買取情報もお届けします。
フルトヴェングラーとは?
ヴィルヘルム・フルトヴェングラーは、1886年1月25日にドイツ・ベルリンに生まれました。音楽の感性や精神性が高く、聞き手を魅了する音楽家として名をはせましたが、特にベートーベン・ブラームス・ワグナー等のドイツ音楽を得意とし、数々のレコードを残しました。主要な活躍の拠点の一つとなったのがベルリン・フィルハーモニー楽団で、1922年から1945年まで常任指揮者を務めたのに加え、1947年から1954年までは終身指揮者の立場となり活躍しました。そのほか、作曲家や伴奏ピアニストとして演奏も手掛けています。フルトヴェングラーは、1954年に肺炎で亡くなるまで精力的に音楽活動を続けました。
なお、彼の死後、妻であるエリザベートがフルトヴェングラー・センターの名誉会長を務め、日本の東京フルトヴェングラー研究会の名誉会員であったことも、ヨーロッパのみならず日本のファンが多い要因でしょう。
フルトヴェングラーが生きていた時代は、音楽そのものや音楽家にとって激動の時代でした。くしくもドイツに生まれたフルトヴェングラーは、その才能を認められ、1927年にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者に就任しますが、1934年に政治的な作曲家を排除するヒンデミット事件によりナチス政府と対立する姿勢を見せ、のちに逮捕令状が出されたことから、1945年2月に開かれた同楽団の定期演奏会後にスイスに亡命します。それでも、戦時中にヒトラーへ協力したと疑われて演奏禁止処分を受けたり、ユダヤ系音楽家からの抗議でシカゴ交響楽団への就任要請が破談になったこともありました。いわれのない汚名を着せられ、音楽活動を制限されたことが、かえって演奏に情熱を込める結果になったといえるかもしれません。
フルトヴェングラーの人気レコード作品
フルトヴェングラーのレコードは人気が高く、ライブ盤がリマスターされて新たに販売されるほどです。こちらでは、フルトヴェングラーの人気のレコードのいくつかを取り上げて紹介します。
「ドイツ・グラモフォン・スタジオ録音全集(486-954)」
世界で最長の歴史を持つクラシック音楽のレコード会社である「ドイツ・グラモフォン」で録音した演奏が詰まった作品集です。フルトヴェングラーは、ロマン派の理想主義と評されることが多いですが、その特徴がよく表れた作品が収録され、根強い人気があります。収められているのは、ハイドンの交響曲第88番、シューベルトのグレイト交響曲、シューマンの交響曲第4番、そしてフルトヴェングラーの交響曲第2番です。最後の楽曲は、フルトヴェングラーの記念碑的な作品といわれ、伝説の録音として語り継がれている名曲です。
こちらのレコードはリマスター版で、2022年初めにLP4枚組・限定版で発売されたため、購入できなかった方は喉から手が出るほど欲しい作品です。
「ベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」(N0063)」
1952年12月8日にベルリンでの演奏をライブ録音したものをリマスタリングしてアナログマスターテープを作り、LP化した作品です。こちらは、音質が良いとされるRIAS放送の録音を使っている点と、ノイズ・リダクションを極力抑えたターラ盤であることが、人気が持続している理由です。ベートーベンが描いた革新的な精神あふれる作品を、渾身の力を込めた演奏で表現しており、フルトヴェングラーの世界観が感じられます。ベルリン・フィルの戦後最初のコンサートが行われた映画館・ティタニア・パラストで録音されたこちらの作品は、楽章ごとに分けられて2枚のLPに収録され、日本語の帯と解説がセットになっています。
「フルトヴェングラー&ウィーン・フィル戦後ライヴ集1952~53年(N0032)」
音楽家として集大成を迎えた時期のフルトヴェングラーの演奏のうち、ウィー・フィルのアーカイブに厳重に保管された正規音源のオリジナルテープを使用してLP化したものです。録音場所は、ニュー・イヤーコンサートで有名なウィンー・フィルの学友教会大ホールで、ベートーベンに加え、ブラームスやマーラーの作品が7枚組LPに収められています。こちらの作品は、購入者プレゼントがついた発売初期のものは完売し、その後にプレゼントなしのものが特別割引価格で提供された経緯があります。人気の作品ゆえの現象ですが、欲しい人にとっては、どうしても手に入れたいレコード集の一つとなっているので、買取を歓迎するところは多いはずです。
フルトヴェングラー作品の人気の理由
フルトヴェングラーは、1886年にドイツ・ベルリンで生まれ、音楽家としての人生の中で、二度の世界大戦を経験しました。演奏ができない時期があるなど、制限が課されたことで、音楽に対する情熱があふれた作品が多く残されています。革新的な楽曲で知られるベートーベンの作品とも相性がよいフルトヴェングラーのレコードは、クラシックの熱狂的なファンを超え、幅広い人気を得ています。買取のご相談は、エコストアレコードでお待ちしています。
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