ニーナ・シモン(Nina Simone)は20世紀を代表するアーティストであり、アメリカ音楽のアイコン的な存在でした。その歌声には、聴く人がその瞬間に没頭して時空を忘れてしまうほど魅惑的で催眠的な魔法を紡ぐ魅力があります。最初のヒット曲である1959年のトップ10入りした名曲「アイ・ラヴズ・ユー・ポーギー」から、1993年のエレクトラのアルバムからのタイトルカット「シングルウーマン」まで、40年以上にわたって多くのレコードが出されています。
ニーナ・シモンの経歴、楽曲の魅力とは
ニーナ・シモンは、ユニース・キャスリン・ウェイモン(Eunice Kathleen Waymon)として、1933年2月21日にアメリカ合衆国のノースカロライナ州で生まれました。3歳よりピアノを弾き始めるようになり、早くから音楽家としての才能を発揮していた彼女は、両親の支援もあり音楽の才能をメキメキ伸ばして行きます。1950年代始めに、音楽学院への進学を目指しますが入学を断られ挫折します。生計を立てるためピアノの講師などをしますが生活は苦しく、1954年にアトランティック・シティのアイリッシュ・バーでピアノを弾き始めることになります。このバーのオーナーの薦めから歌い始めるようになり、この頃からニーナ・シモンと名乗り本格的な活動が始まります。
ニーナ・シモンの歌の魅力は、その力強く魅惑的な歌声と、ジャズだけではない多様なジャンルを取り入れた楽曲にあります。R&B、ヒップホップ、ゴスペルといった要素が様々な楽曲に散りばめられており、そこに彼女の歌声が折り重なり魅力を引き立てます。また音楽以外にも、アフリカ系アメリカ人の女性のミュージシャンとして、黒人公民権運動等の政治的な抗議活動にも精力的に参加していました。その考え・思いが反映された楽曲も多く、その中でも「Feeling Good」はリリースから何十年も経った今もなお愛されている曲の代表と言えるでしょう。
ニーナ・シモンのレコードが買取市場で人気が高まっているワケ
2003年4月21日にニーナ・シモンは70年の生涯を終えましたが、彼女の遺した数多くの楽曲は色褪せることなく今も輝き続けています。近年では、彼女のトリビュートアルバムが発売されたりドキュメンタリー映像をNetflixが製作するなど、ニーナ・シモンの存在が再び脚光を浴びるようになってきました。彼女が生涯をかけて放ってきたメッセージが、再びアメリカ社会や世界中へ大きな影響を与えているのです。その中で、ニーナ・シモンが遺した数多くのレコードにも注目が集まっており、買取市場での需要が高まってきています。
買取市場で注目されているニーナ・シモンのレコード4選!人気のタイトル紹介
以下、ニーナ・シモンの人気のあるレコードを4枚紹介します。
Little Girl Blue / Bethlehem, BCP 6028
1959年に発売された、ニーナ・シモンの代表すべきファースト・アルバムです。クラシックのコンサート・ピアニストを目指していた20代半ばだった彼女の、表現力豊かなピアノと魅惑的な歌声が存分に感じられる作品となっています。全米Top 20入りを果たした「I Love You, Porgy」や、1987年に放送されたシャネルNo. 5のコマーシャルでも使用された「My Baby Just Cares for Me」、「Mood Indigo」といった人気の楽曲を数多く収録しており、現在も人気の高いレコードとなっています。
I Put a Spell on You / Philips, PHS 600-172
1965年発売の本作のアルバム名にもなっている「I Put a Spell on You」は、スクリーミン・ジェイ・ホーキンスのカバー曲です。ホルンとストリングスが使われているこのスリリングなラブソングは、彼女の有名な楽曲の1つとなっています。また、この曲名は1992年に出版した自叙伝にも使用していることでも有名です。その他に、「Tomorrow Is My Turn」や「Feeling Good」といった人気の楽曲も収録されています。「Feeling Good」に関しては、元々ミュージカルのために書かれた楽曲でニーナ・シモンがカバーしたものですが、その後も多くのアーティストによりカバーされ、多くの人に影響を与えている楽曲です。
Silk & Soul / RCA Victor, LSP-3837
1967年発売の本作は、アルバム名にもあるようにソウルを前面に出したニーナ・シモンの異色作と言えます。重厚感のある普段の楽曲とは違い、明るく一緒にステップを踏んでしまうような楽曲が多く収録されています。このアルバムの収録曲である「Go to Hell」で、1968年のグラミー賞で最優秀女性R&Bボーカルパフォーマンスにノミネートされましたが、惜しくも落選となっています。
Nina Simone And Piano! / RCA Victor, LSP-4102
1969年に発売された本作は、シンプルな編成であるピアノの弾き語り集となっています。ニーナ・シモンは元々ピアニストとして音楽学院の入学を目指していたこともあり、クラシック・ピアノの名手でありました。この作品では、魅力的なボーカルとともに、彼女の得意とするピアノの妙技もたっぷりと聴くことができる贅沢な仕様となっています。伴奏はピアノだけというシンプルな構成ですが、決して聞き飽きることのない素晴らしい作品です。
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1950年代を代表するニーナ・シモンが世に出した楽曲は、今もなお多くの人たちに聴かれ続けています。また、ニーナ・シモンの存在自体も、アメリカ社会だけでなく世界中に影響を与え続けています。そんな彼女が作り出したレコードの価値をしっかりと理解し買い取ってくれるのは、豊富な買取実績を誇る中古レコード買取専門店だけです。エコストアレコードでは、知識とスキルを備えたスタッフが、自信を持って査定いたします。
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