エコストアレコードでは、ジャズボーカルのレコード買取のご依頼をよく頂戴します。
ジャズは人気が非常に高い音楽ジャンル。ボーカル作品を熱心に聴く愛好家も多くいます。
サックスやピアノといった、楽器を演奏するミュージシャンが主役になるものとは違い、歌手が詩を表現力豊かに唄う様は聴きごたえたっぷりで魅力的。
それでは、ジャズボーカルのレコード作品にはどのようなものがあるのでしょうか?
レコード買取を考えているあなたのために、ジャズボーカルとは一体どんなものか解説してみましょう。
文:福田俊一(Ecostore Records)
ジャズボーカルとは?
ジャズボーカルのレコードをお持ちですか?
ジャズというと、一般的にはジャズという音楽全体のことを指します。
一方、ジャズボーカルというと、その大きなジャズという音楽ジャンルの中にあるカテゴリのことを指し、ミュージシャンが楽器を奏でるだけでなく歌手が歌を唄っているもののことを言います。
歌手が唄うには伴奏が必要ですが、作品によっては大物ミュージシャンが参加していることも多くあり、歌の華やかさを更に盛り上げています。
ジャズボーカルの良さは、楽器では表現できない歌詞の世界もその大きな魅力の一つ。恋の辛さを歌った切ないバラードもあれば、幸せな気持ちになるご機嫌な曲もあります。
ジャズ愛好家にはミュージシャンによる楽器演奏(インストルメンタル)だけでなく、ボーカルも大好きだという方も多くいます。
ジャズボーカル人気作品レコードをご紹介
ジャズボーカルは根強い人気があるカテゴリ。レコードにも人気作品が沢山あります。
ここで、ジャズボーカル作品のレコードにはどんなものがあるか、エコストアレコードがいくつかご紹介します。
Chris Connor / Sings Lullabys Of Birdland(Bethlehem, 型番:BCP 1001)
1954年発表作品。
スタン・ケントン楽団から巣立った女性シンガー、クリス・コナー。
彼女のデビュー作である同アルバムはその名を轟かせた代表作であり、ベツレヘムにとって初の10インチとなった作品。(コナーは同レーベルで10インチを2枚、LPを2枚吹き込んだ)
圧倒的なまでのその歌唱力はジャズボーカルファンを魅了してやみません。
Nat King Cole / Unforgettable(Capitol, 型番:T-357)
1953年発表作品。
男性ジャズヴォーカリストの”王様”といったらそれはナット・キング・コールのこと。
ピアノトリオを組んでいたコールは1930年代後半に注目を集めるように。43年に「Straighten Up and Fly Right」という曲を歌ったところヒット。柔らかく、低いバリトン・ヴォイスが特徴です。
そんな彼を代表する名曲の一つがこの「アンフォゲッタブル」。当時も今も変わらぬファンが多い作品です。
Julie London / Calender Girl(Liberty, 型番:SL 9002)
1956年発表作品。
ジャズシンガー、ジュリー・ロンドンが1月から12月まで、12つのそれぞれの月をテーマにした曲を歌うジャズボーカル名作。「I’ll Remember April(邦題:4月の思い出)」等収録。
毎月の季節イベントの仮装をしたロンドンのジャケット写真もとてもチャーミングです。
Julie London / Around Midnight(Liberty, 型番:LST-7164)
1960年発表作品。
米国ロサンゼルスで録音されたジュリー・ロンドンのゴージャスな印象の名作。夜中(アラウンド・ミッドナイト)に関連する楽曲を彼女が大人の余裕たっぷりに歌っています。
天に向かってスッと伸びたロンドンの脚が、時計の0時を指す長針と短針を模しているジャケットデザインも秀逸。
ジュリー・ロンドン / ひとりぼっちのジュリー(東芝音楽工業/Liberty, 型番:LP-7052)
国内盤ペラジャケット仕様 / 赤盤
アルバムの英題は『Lonely Girl』。56年に米国での発表から遅れること7年、63年に日本で発売された国内盤レコード。当時の定価は1,800円。
写真にある「半掛け帯(はんかけおび)」は、ビートルズの東芝盤でも見られる非常に短期間のみ製造された希少な帯で高価買取に繋がる可能性があります。半掛け帯は通常の帯のように縦方向にグルっと一周はしておらず、ジャケット裏面上部で簡単に接着されているだけで無くしやすいもの。丈短く垂れ下がる形状が独特な帯です。
ヘレン・メリル / シングス・ビートルズ Helen Merrill Sings Beatles(日本ビクター株式会社, 型番:SMJX-10092)
1970年発表作品。
天才トランぺッター クリフォード・ブラウンとの共演盤『ウィズ・クリフォード・ブラウン』を54年にエマーシーから発表するなど、愛好家の間ではジャズヴォーカリストとして真っ先に名前が上がる米国人歌手の一人。
数々の名作を残し名実共にトップシンガーだったメリルは、夫の仕事の関係で66年ごろに日本へと移住。そんな彼女は、ここ日本のミュージシャンとの交流を重ね、日本人ジャズマンと共演した作品も多くリリースしました。
本作は彼女が日本滞在中に録音したアルバムで、なんとビートルズの楽曲をカバーするという意表を突いた企画の作品。
今も人気が高い反面、中古市場では意外にも滅多にお目にかかれない希少なレコードです。
当店ではこちらの商品の帯付きで状態がやや劣るものを10,000円で買取しました。
ジャズボーカル・レコードの買取ならエコストアレコード
今回はジャズボーカルのレコードについて解説しました。
ジャズボーカルと一言でいっても実に多彩な歌手がいれば、多くの作品があります。
人気タイトルは大手レーベルから発売されたものもあれば、マイナーなレーベルから発売されたものもあります。
レコードの処分・買取をご検討であれば、ジャズに詳しいエコストアレコードに査定させていただけませんか?
あなたがお持ちの宝物のような貴重なレコード、私どもが他社よりも高く買取します。
買取に関してご不明な点がございましたら当店受付までお気軽にお問い合わせくださいませ。
筆者: 福田俊一(ふくだ・しゅんいち)
FTF株式会社 制作部/販売部兼務。買取部門のコラムやnoteのほか、販売部門の特集コラムを執筆。大学卒業後にレコード収集に興味を持ち、約15年かけてジャズレーベル、ブルーノートの(ほぼ)すべてのLPをオリジナルで揃えた。