フリージャズの先駆者と言われているオーネット・コールマン(Ornette Coleman)。コールマンが生み出した作品は前衛性と革新性を持ち、当時のジャズファンに衝撃をもたらしました。そしてその音楽性は現代まで脈々と受け継がれています。今回はそんなコールマンの買取市場における人気作品の特徴や、名盤中の名盤を詳しく紹介してきます。
オーネット・コールマンとは?
オーネット・コールマンは1930年、アメリカテキサス州フォートワースで生まれました。天才チャーリー・パーカーに憧れてアルト・サックスを始め、キャリアの初期はR&Bバンドで活躍。当時から既成の音楽の枠組みを乗り越えようと演奏をしており、ロサンゼルスに移ってからもそれは変わらず、1958年には初のリーダー・アルバムを作成しました。転機となったのはニューヨークに移った1959年。コールマンは「ジャズ来るべきもの」・「フリー・ジャズ」を発表し、ジャズファンを困惑させました。
当時のジャズは1940年代のビバップの流れから、ハード・バップ、モード・ジャズの流行が一段落して行き詰まりが発生していました。そこに従来のジャズの枠組みを破壊したフリージャズを持ち込んだコールマンは、ジャズファンやジャズ・ミュージシャンを二分しました。帝王マイルス・デイヴィスや古典的なジャズファンはフリージャズをジャズと認めませんでしたが、モダン・ジャズ・カルテットのジョン・ルイスらはコールマンを擁護。またコールマンの演奏に魅了されたファンも数多くおり、結果的にコールマンは大成功を収めます。フリージャズもエリック・ドルフィーの登場やジョン・コルトレーンの転向により、1つのジャンルとして確立されました。
オーネット・コールマンは金銭問題や保守的なファンに嫌気がさして一時引退しますが、1965年に復帰。ジャズに理解があるヨーロッパでライブをして優れた作品を残しました。またアルト・サックス以外にもトランペットやヴァイオリンをマスターして、常に周囲を沸かせ続けました。晩年も息子のドナルド・コールマンと一緒にライブをするなど精力的に活動。2007年にはピューリッツァー賞、グラミー賞特別功労賞を受賞しました。そして2015年、85歳で生涯を閉じました。
買取市場におけるオーネット・コールマンの人気作品の特徴
1958年にデビューして以降、オーネット・コールマンの作品のほとんどがレコードによるものです。近年レコードの良さが再評価されています。それゆえコールマンのレコードはどれも人気があり、買取市場を賑わせています。とりわけ再販盤よりもオリジナル盤、国内盤よりも輸入盤のほうが市場は好む傾向です。また作品の中でもコールマンの音楽性を位置づける「ジャズ来るべきもの」・「フリー・ジャズ」や、ストックホルムでのライブを収録した「ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン」は特に人気があります。
オーネット・コールマンの人気作品を紹介
サムシング・エルス! Something Else!!!!, Contemporary C3551
1958年制作、オーネット・コールマンが初めてリーダーを務めたアルバムです。まだビバップなど既存のジャズをベースにしていますが、所々のリズム・ハーモニー・メロディーは従来のジャズから開放され、コールマン独自のものになっています。ジャズの新しい時代を予感させるような作品に仕上がっています。
ジャズ来るべきもの The Shape of Jazz to Come, Atlantic 1317
1959年制作、盟友ドン・チェリー(コルネット)にベースのチャーリー・ヘイデンが加入。ピアノ抜きの2ホーン体制で、従来のジャズの枠組みから開放され、自由度が極めて高い演奏をしています。それでもフリージャズの中では比較的まとまっている曲が収録されており、フリージャズ初心者でも聞きやすい作品です。
世紀の転換 Change Of The Century, Atlantic 1327
1960年制作、オーネット・コールマンのカルテットが充実期を迎えた作品です。メンバーそれぞれが自分の好きなようにアドリブ演奏をしながらも、コールマンが提示するコードやメロディーにカッチリとハマっています。フリージャズとしても、気軽に楽しむジャズとしても聞き飽きることのない名盤です。
フリージャズ Free Jazz, Atlantic 1364
1961年制作、8人のメンバーを2つのカルテットに編成し、左右それぞれのチャンネルからそれぞれのカルテットの演奏が聞こえます。37分に及ぶジャズセッションが丸々収録され、簡単なテーマ以外は各メンバーのアドリブ演奏が繰り広げられています。エリック・ドルフィーやスコット・ラファロなどの豪華メンバーも参加。全ての枠組みを取り去った演奏は、まさに「フリージャズ」そのものです。
ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン At The “Golden Circle” Stockholm Vol.1, Blue Note BLP 4224
1966年制作、ストックホルムのゴールデン・サークルというクラブでのライブ盤。アルト・サックス、ベース、ドラムのトリオ編成で、極寒の北欧で開放的かつ伸びやかにコールマンはサックスを吹きます。オーネット・コールマンがどんなジャズ・ミュージシャンかを知るのには最適な1枚です。
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