レコード買取で、専門店の高額買取リストの中には様々な専門用語が記載されています。レコードの知識がなければ読んでもあまり理解できないことでしょう。しかし、そのような用語が意味するところは、『記載しているこれらの条件をあなたのレコードが満たしていれば高価になります』という非常に大事な要素なのです。「それらの条件を満たす」もしくは「満たさない」などで買取価格にも必ず差が生まれてきます。レコード買取は保存状態によって価格は上下しますが、それと同じくらい大きな影響があります。
今回のコラムでは、高額買取リストに載っている専門用語を解説しながら、保存状態が買取価格にどれくらい影響するかについて一緒に考えてみましょう。
専門用語の意味を教えて!
まず、高額買取リストにある専門用語をいくつか挙げてそれぞれどういう意味なのかを教えましょう。
①帯、ライナー付
レコードに帯やライナー(歌詞カード、解説書、インサートともいう)が付属しているということ。帯やライナーのような無くしやすい附属品がまだ残っているということは、レコード買取においては「保存状態がいい」という印象の第一段階になります。査定ではそののちにレコードの盤面の状態やカバーの状態が評価されます。
※海外のレコードにも日本の帯文化を真似て帯が付いているものもある。こちらはアメリカ盤
②ラベル
ラベルとは、レコードの盤の中央にある丸い紙の部分です。ラベルには大事な情報が印刷されているため、プレス(製造)された時代を特定する上ではとても大切になります。ラベルは年代によってデザインや色も変わることがあるので、鑑定では最も需要なポイントのひとつです。
③オリジナル、初版
オリジナルと初版はどちらも最初期のレコードという意味で使われます。どのようなジャンルであれ、いつの時代の作品であれ、オリジナル・初版のレコードは最も高い価値があります。オリジナル盤と呼ばれることもあります。
④~刻印
たまに「~刻印あり」というものもあります。これはレコードの内周部に特殊な文字があり、それを刻印としています。刻印があるのは主に輸入盤ですが、音楽の録音を担当した技術者の刻印だったり、製造したレコード工場を表す刻印だったりします。オリジナル盤かどうか判断するために刻印の有無を確認することがあります。
※MASTERDISK刻印(マスターディスクこくいん)と呼ばれるもの
⑤定価○○円
日本盤のレコードの場合、稀に買取リストに「定価○○円」というような値段を表した特記事項があることがあります。これはレコードのカバーや帯に印刷されている値段のこと。こちらも査定する際に発売時期を特定して初版か否かを判断するうえで参考になるポイントとなります。
⑥赤盤
赤盤とは、東芝音楽工業が1960年代から70年代初頭にかけて製造していた赤い盤面のレコードのこと。ジャンルも歌謡曲であったり、ビートルズであったり、東芝が製造したレコードであれば赤盤のレコードは数多くの作品があります。赤盤は初期のレコードということで、よく見られる黒い盤面のレコードより高価になることがあります。
⑦冊子付き
この場合の冊子とは、30cm四方のライナーが1枚付属しているものではなく、解説書が冊子のもののこと。例えば、現在 非常に高い人気を誇る日本のジャズのレコードレーベルであるスリーブラインドマイス(Three Blind Mice)は初期は解説書が冊子で、再発盤にはライナーが1枚付いている形式になりました。また、帯と同様に無くしやすいものでもあるので、残っていると高額査定の対象となります。
※上の画像にあるものが冊子
⑧インナースリーブ付き
インナースリーブとはオリジナルの内袋のこと。曲名や歌詞などが印刷されていたりすることがあります。紙製のものが多いように思われます。
付属品が残っているかいないかで値段は変わる
さきほどの専門用語の解説でも紹介した項目をみても分かりますが、帯であったりライナーであったり、冊子、インナースリーブであったり、レコードに本来付属していたものはそれぞれの作品によってもちろん異なりますが、完品であれば高価になる可能性があります。帯も裂けたり破れやすいですし、解説書であっても紛失しやすいものです。付属品が残っているということは、保存状態が良いということでもあるのです。
それは古本でも同じことですね。帯が付いていれば状態が良く感じるものです。もしあなたが古本屋でずっと読みたかった本を見つけたとき、帯が付いているものと付いていないもの、同じ値段ならあなたはどちらを選びますか?
帯付きと付いてないもの、いくらぐらい変わるの?
あくまで参考程度にではありますが、当店での具体的な買取例を紹介しながら付属品が付いているかいないか、そして状態によってどれくらい額が変わるのかをみてみることにします。
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《 洋楽のとある国内盤レコードの買取実例 》
●帯、ライナー付 / 500円
●帯なし、ライナー付 / 400円
●帯なし、ライナー付、カバー傷みあり / 300円
●帯なし、ライナーなし / 300円
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上記の価格表は、とある同じ洋楽作品の日本盤レコードの買取実例です。
付属品の有無や、状態によって価格が変動しているのがわかります。帯・ライナーともに残っていて状態がまずまず良好なものが500円で買取されたようで、帯がないものが400円、帯もライナーもなくなってしまっているものが300円となったようです。
同じ音楽作品であるにも関わらず、完品と付属品が全くないのものに200円もの差ができました。たかが200円いえども、されど200円でもあります。これが膨大な数のレコード・コレクションを手放したときにいくらぐらいの差になるかを考えてみると、帯がある1000枚と帯がない1000枚のコレクションではとても大きな差になるのがお判りになることでしょう。
ただし、日本盤であっても元々帯がないものもよくあるので、帯が付いていれば高いとは一概にはいえません。お持ちのレコードに帯が付いていないとしても、買取額が高くなる可能性は大いにあります。
買取においてレコードが高額になるかならないかはその貴重さ・希少性によるものが大きいですが、レコードはなにも珍しい作品だけが希少になるわけではありません。ありふれたよく見るレコード作品であっても、帯が付いているからこそ稀少価値が高まっているものもたくさんあります。裂けたり無くなりやすい帯のことなので、まだ状態良く残っているということが何より大切なことなのです。
また、シュリンクという膜のような薄いビニール製の袋にレコードカバーが包まれているものも見かけます。シュリンクは決して付属品ではありませんが、発売当時の外袋に守られてきた良好品という意味でもあるので査定では無いものよりかは買取の際のお値段も多少上がるものと思われます。
まとめ
レコード買取では、高値が付くレコードは誰もが知っているような有名な歌手やグループだけではなく、あなたが意外に感じるものも実際に多くあるはず。高額になるレコードには海外のロックのアーティストのレコードもありますし、ジャズもあります。とある日本人歌手のレコードは安定して高い人気があるため高く買取ることが多いですし、とある邦画のサウンドトラック盤も高額になります。高額になり得るレコードは本当にたくさんあるのです。
エコストアレコードにはマニアックともいえるくらい音楽の知識やレコードの知識がある人間が多く在籍しています。毎日 中古レコード市場の価格変動を調査しつつ、お客様からお預かりしたレコードを少しでも高額で買い取らせていただこうと査定しております。レコードを捨ててしまおうか売ってしまおうか迷ったら、迷わず当店までご相談ください。そのレコードを現金にかえて、レコードの音溝に刻まれた素敵な音楽を私たちの次の世代へと繋いでみませんか?