レコードの買取をお考えの方はエラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)をご存知でしょうか。エラ・フィッツジェラルドは、20世紀を代表するアメリカのジャズミュージシャンとして、サラ・ヴォーン、カーメン・マクレエ(一説にビリー・ホリデイ)と並んでジャズの三大女性ボーカルの1人と称されています。このように世界中から愛される名シンガーでありながら、しかし世代によっては案外名前しか知らないという人も多いものです。大御所として強い関心を持たれるこの歌手について、そのレコードの買取について解説します。
エラ・フィッツジェラルドの経歴がすごい
フランク・シナトラをして「文句なしに世界で最も素晴らしいポピュラー・シンガー」と言わしめたエラ・フィッツジェラルドは、1917年4月25日、ニューヨーク州ニューポート・ニューズに誕生しました。14歳のころまでには両親とも亡くし、極貧生活の中で売春宿の下働きやマフィアの使い走りのような暮らしを続けていましたが、17歳で黒人芸能の殿堂として知られる「アポロ劇場」のアマチュアナイトに出場、その才能が認められてプロのシンガーとしての道を進むことになりました。アポロ劇場では当初ダンスを披露する予定でしたが、自分の前に出場した地元のダンスデュオがあまりにも素晴らしい出来だったので、急遽歌うことに変更、歌い終わると3回もアンコールを受け、賞金25ドルを獲得したというエピソードも残っています。そして彼女の独特の歌唱スタイルとして知られる音域の高いボーカル、驚異的な音域の広さは、すでにこの頃から片鱗を見せ始めていたとされます。
アポロ劇場で衝撃の実力を見せつけたエラは、チック・ウェブ楽団の一員として歌手活動を開始します。その時のアルバム「ア・ティスケット・ア・タスケット」が、17週間にわたりチャートのトップを独占する大ヒット作となったことから、その名は各地にとどろき、1942年にはソロとして一本立ちして活動を開始しました。それ以来、ジャズ、ポップス、ブルース、ラテンなど、多岐にわたる音楽スタイルを歌い上げ、多くのファンを魅了し続けました。
1960年代に入ると、ジャズの先駆者たちとともにフェスティバルやコンサートに出演するようになり、1956年から1964年にかけて8枚のレコードを制作、この間を縫って世界各地のツアーを行います。1975年には日本公演も開催し、東京・大阪・京都の3都市でコンサートを行いました。その後は1987年にはジャズの女王としてグラミー賞を受賞するなど華々しい快進撃を続けますが、1993年に持病である糖尿病の悪化などもあって両足を切断すると、コンサート活動を休止し表舞台から徐々に身を引くようになり、 1996年6月15日にカリフォルニア州ビバリーヒルズで死去しました。
エラ・フィッツジェラルドはジャズ界において非常に重要な存在でした。特にデューク・エリントン、カウント・ベーシー、チック・ウェブ楽団といった大バンドとの共演を通じて、スウィングジャズの代表的なシンガーとしての名声も築きました。その柔らかな歌声と滑らかなフレージング、豊かな音域は、リズムセクションの進行に対する敏感さとともに比類なき才能として語り継がれています。
エラ・フィッツジェラルドの人気レコード作品
「Ella and Louis」(1956年)Verve, MGV-4003
このアルバムは、エラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロングの共演によるもので、ジャズの名盤の一つとして知られています。2人のボーカルのハーモニーが美しく、その歌声からは互いに信頼し合っている深い絆が伝わってきます。また、アームストロングのトランペット演奏も見事で、アルバム全体を通して聴き所が満載です。中でも「Cheek to Cheek」「The Nearness Of You」などはジャスのスタンダードとして多くのファンから高い評価を得ています。とても人気のあるアルバムです。
「Mack The Knife – Ella In Berlin」(1960年)Verve, MGV-4041
このアルバムは、エラ・フィッツジェラルドがベルリン・フィルハーモニーで行ったコンサートの模様を収録したもので、中でも「Mack The Knife」のカバーが特に有名です。彼女は、曲の歌詞を忘れてしまい、その場で即興で歌詞を作り出したといわれていますが、それが逆に聴き手に笑いをもたらし、彼女のユーモアあふれるステージングが絶賛されました。エラ・フィッツジェラルドの音楽性の高さや表現力の豊かさを味わえる名演の一つです。アドリブに満ちた希少なライブ盤です。
「Ella Fitzgerald Sings The Duke Ellington Songbook」(1957年)Verve, MGV-4008-2
このアルバムは、エラ・フィッツジェラルドがデューク・エリントンの楽曲をカバーしたもので、彼女の代表作の一つとして認識されています。エリントンの楽曲は、緻密で洗練されたアレンジが特徴的で、彼女の歌声と見事にマッチしています。また、アルバムにはエリントン本人が指揮を執った曲も収録されており、彼女とエリントンのコラボレーションが生んだ芸術的な名作として高く評価されています。ビッグバンドとのコラボは彼女の真骨頂でもあり、非常に人気のアルバムとなっています。
エラ・フィッツジェラルドのレコードをお持ちならぜひ買取を
エラ・フィッツジェラルドは20世紀を代表する屈指のジャズシンガーです。表現力豊かなその歌声は多くの人々を魅了し、他のミュージシャンとのハーモニーも抜群で、ジャズの歴史において彼女の名前は欠かせないものになっています。そのため、エラ・フィッツジェラルドのレコードに対する人気は非常に高く、買取に関しても有利な条件が期待できます。買取のご用命はエコストアレコードにお申し付けください。
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