中古レコード市場ではキング・クリムゾン(King Crimson)の作品が高価買取につながることがあります。1969年にプログレッシヴ・ロックバンドとしてイギリスでデビューしたキング・クリムゾン(King Crimson)。時代を経るごとに音楽性をガラリと変え、進化を続けてきました。キング・クリムゾンは常にフロントランナーとして走り続け、ロック界の伝説的存在です。今回はそんなキング・クリムゾンのキャリアや買取市場における人気作品の特徴を詳しく解説するとともに、名盤の紹介をしていきます。ぜひ参考にしてください。
キング・クリムゾンとは?
キング・クリムゾンはギタリストのロバート・フリップを中心に結成されたイギリスのロックバンドです。1969年のデビュー・アルバム「クリムゾン・キングの宮殿」は音楽業界に衝撃をもたらしました。メロトロンやフルートのサウンドに加え、クラシックやフリージャズの要素を入れた前衛的な本作品は、ピンク・フロイドと並んでプログレッシヴ・ロックを確立したとされています。しかしキング・クリムゾンの魅力は1つのジャンルにこだわらず、常に音楽性を変化させてきたことにあります。1970年代の演奏はジャズのようなインプロビゼーション(即興演奏)を多用するスタイルへと変貌しました。
1975年に1度キング・クリムゾンは解散をしますが、1981年にフリップは新バンド「ディシプリン」を立ち上げます。すぐにキング・クリムゾンに改名し、当時ブームだったニュー・ウェイヴの要素を取り入れます。これまでの管弦楽器を取り入れたサウンドから、ギターとスティック主体への急激な変化は賛否両論を起こしました。1984年に再び解散し、1994年に再びキング・クリムゾンを結成。バンドは6人編成で、3人ずつのユニット毎に演奏を行う「ダブルトリオ」を採用しました。「ヌーヴォメタル」と名付けられたサウンドは、プログレッシブ・ロックとヘヴィ・メタルを融合させたものでした。
2004年にキング・クリムゾンは活動休止、2011年にフリップは引退を宣言しますが、2014年にフリップとキング・クリムゾンは復活します。ライブ中心に活動し、「トリプルトリオ」「ダブルカルテット」「トリプルドラム」といったユニークな編成で世界各国を回りました。そして2021年のライブツアーをもって、キング・クリムゾンとしての活動の終焉を示唆しています。
買取市場におけるキング・クリムゾンの人気作品の特徴とは?
キング・クリムゾンは2021年までアルバム作品をリリースしていますが、レコードとして発売されたのは1984年の解散までです。1984年までのレコードはどれも、キング・クリムゾンが人気バンドということもあって、買取市場で高い人気を誇ります。さらに巣ごもり需要や近年のレトロブームにより、レコードの評価が見直されていることも追い風となっています。限定盤や初回版、本家イギリスや珍しい国でプレスされたもの、帯・冊子・袋が付属していて保存状態が良いものはさらに市場から評価されやすいでしょう。
キング・クリムゾンの人気作品
クリムゾン・キングの宮殿(In the Court of the Crimson King)/ILPS9111
1969年にリリースされたデビュー・アルバム。プログレッシヴ・ロックはここから始まったと言っても過言ではありません。その前衛的な音楽性は瞬く間に評判となり、ビートルズの「アビイ・ロード」を全英チャート1位から引きずり落としたと言われています(実際は全英チャート5位でした)。アルバム・ジャケットインパクトがあって、1度見たら忘れられません。
ポセイドンのめざめ(In the Wake of Poseidon)/ILPS9127
1970年にリリースされた2枚めのアルバムです。全英チャート4位を獲得し、キング・クリムゾンの作品のなかでも最高位となっています。「クリムゾン·キングの宮殿」の流れを組み、音楽のジャンルの枠を超えた楽曲が収録されています。
太陽と戦慄(Larks’ Tongues in Aspic)/ILPS9230
1973年にリリースされた5枚目のスタジオ・アルバムです。インプロビゼーションを全面的に押し出した作品に仕上げています。アルバム・ジャケットに描かれた太陽は、キング・クリムゾンのシンボルともなりました。
レッド(Red)/ILPS9308
1974年、解散発表の翌日にリリースされた7枚目のスタジオ・アルバムです。プログレッシヴ・ロックの究極体とも言われています。前半曲はヘヴィサウンドを中心に、後半はインプロビゼーションを存分に楽しめます。
ディシプリン(Discipline)/EGLP49
1981年、解散後に再結成された新生キング・クリムゾンによるスタジオ・アルバムです。それまでの音楽性を全て捨て去り、ポリリズムやディスコミュージックを取り入れたニュー・ウェイヴ調となっています。発売当時は賛否両論でしたが、現在はサウンドのクオリティーが評価されています。赤を基調とするアルバム・ジャケットは、同時期にリリースされた青を基調とする「ビート」、黄色を基調とする「スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー」と揃えると圧巻です。
USA/ILPS9316
1975年、アメリカのアズベリー・パークでの演奏を収録したライブ・アルバムです。ライブならではの破壊力と、高い演奏レベルを堪能できます。
キング・クリムゾンのレコードを売るならエコストアレコードに
キング・クリムゾンは解散と再結成を繰り返し、メンバーが入れ替わるごとに音楽性を変化させてきました。キング・クリムゾンの長期にわたる活動は、2022年にひとまず終止符が打たれました。しかし残された作品は今でも多くの人々に愛されています。そんなキング・クリムゾンのレコードが倉庫や押入れに眠ったままではないでしょうか?エストアレコードでは心を込めて査定します。ぜひご利用ください。
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