ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル(NWOBHM)とは、70年代から80年代にかけて、イギリスで起こったヘヴィメタルのムーブメントです。その中心で存在感を放ったバンドがサクソン(SAXON)でした。サクソンのサウンドはレコードの高音質で聴いてこそ、真価を理解できます。この記事では、サクソンの経歴やレコード作品を解説します。
サクソンとはどんなバンド?波乱の経歴を紹介
「バイカーズロック」とも呼ばれたサクソンは、男臭いサウンドが特徴的です。情熱的なボーカルと激しいライブパフォーマンスで、バンドは根強い支持を獲得しました。バンドの誕生は1977年のヨークシャーとされています。別々のバンドで活動していたメンバーが集まり、サクソンとなりました。バンドは順調にライブハウスでの経験を積み、1979年にはデビューアルバム「サクソン」を発表しました。
サクソンの本格的なブレイクは1980年のセカンドアルバム、「ホイールズ・オブ・スティール」発表後です。この作品は商業的にも批評的にも成功し、サクソンは大規模なロックフェスティバルにも出演するようになりました。サクソンの快進撃を支えたのは、バイカーたちからの支持でした。サクソンの歌詞にはバイクをモチーフにした内容が多く、バイカーたちの共感を呼んだのです。特にヨーロッパで、サクソンのファン層は拡大しています。
ところが、1984年のアルバム「クルセイダー」で流行を意識するあまり、サクソンは本来のサウンドを見失ってしまいます。ファンの心も離れてしまい、バンドにとってつらい時期が続きました。サクソンが復活したのは90年代に入ってからです。ヘヴィメタルバンドのアイデンティティに立ち返り、サクソンは1990年のアルバム「ソリッド・ボール・オブ・ロック」から徐々に、ファンの信用を取り戻していきました。
人気の低迷やメンバーの解雇などの事件を乗り越えながら、創作活動を続けるサクソンの姿勢はメタルファンに尊敬されています。2012年にはドキュメンタリー映画「ヘヴィメタル・サンダー」が公開され、日本でも2016年に上映されました。2022年にはアルバム「カルペ・ディエム?鋼鉄の瞬間?」が英国チャートでトップ20入りを果たし、その健在ぶりを見せつけています。
スタジオアルバムに傑作多し!サクソンのレコードで人気の作品の特徴は?
サクソンのサウンドは力強いギターリフやリズム隊の響きが強みです。そのため、レコードで聴くことでサウンドの重厚さはより伝わるでしょう。特に、ブレイク直後の「ホイールズ・オブ・スティール」「ストロング・アーム・オブ・ザ・ロウ」などはアナログ盤の需要が少なくありません。そのほかでは、ライブアルバムも高評価を受けてきました。全英5位に輝いた「イーグル・ハズ・ランデッド」は、ファンからの支持が絶大です。
サクソンのレコードを5枚選ぶなら?人気作品の魅力をチェック
ここからは、サクソンのレコードで人気の5枚について解説していきます。
「Saxon/CAL 110」
1979年のデビューアルバムであり、ファンからは特別視されている1枚です。サウンド面ではまだ荒削りで、未成熟だといえます。それでも、男臭いギターサウンドはすでに確立しており、原石としての魅力に満ちています。インパクトが十分のジャケットも含め、アナログ盤を求めているファンは少なくないでしょう。
「Wheels of Steel/CAL 115」
サクソンがブレイクのきっかけをつかんだ、1980年の作品です。表題曲に加え、「747(ストレンジャーズ・イン・ザ・ナイト)」もシングルカットされ、いずれもヒットしました。サクソンのディスコグラフィーにおいて、もっともストレートなヘヴィメタルに挑戦したアルバムでもあります。
「Strong Arm Of The Law/CAL 120」
バンドの評価を揺るがないものにした1980年作品です。「ホイールズ・オブ・スティール」と本作が同年にリリースされたことで、サクソンは「1年間で2枚の傑作を発表したバンド」として伝説になりました。前作からストレートなメタル路線を踏襲しつつ、歌詞には社会問題への関心が反映されています。
「The Eagle Has Landed/CAL 137」
名作だと語り継がれている、1982年発表のライブアルバムです。「デニム・アンド・レザー」リリース時のツアーの様子が収められており、全盛期の若々しい演奏を聴きこめる内容です。当時のサクソンは傑作アルバムを連続して完成させており、メタルファンからの称賛を集めていました。観客とプレイヤーが一体になって盛り上がっていくステージの様子が、レコードの高音質で生々しく伝わってきます。
「The Eagle Has Landed 40/9029690011」
2019年に発表された、ライブ音源のアンソロジーです。2007年から2018年までのライブの中から、厳選された40曲を堪能できます。すでにベテランの域に達しているにもかかわらず、サクソンのライブパフォーマンスは衰えることを知りません。エディ・クラークやアンディ・スニープといった、メタル界の大物がゲスト参加しているのも聴きどころです。
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