当店はジャズの中古レコードの買取を行っており、ピアノトリオ作品のレコード買取のご依頼もよく頂戴します。
査定のお申し込みがある中には、中古レコード廃盤専門店で価格が数万円、十数万円で販売されるものも。
そこまで高額になるワケは、ピアノトリオ作品がとても人気が高い何よりもの証でしょう。
それでは、中古レコード買取においてその価値はどう評価されているのでしょうか。
ジャズのレコードの売却を検討しているあなたのためだけに、気になるピアノトリオ人気作品をこっそりご紹介します。
文:福田俊一(Ecostore Records)
ピアノトリオって何?
まず、ピアノトリオとは一体何なのか説明しましょう。
トリオとはその名の通り、3人組、三重奏という意味。
ジャズにおいてピアノトリオとは、ピアニスト、ベーシスト、そしてドラマーという、3人編成によるバンド演奏のことです。
例えば、そこにサックス奏者が一人加わったとします。するとバンドは4人編成となり、四重奏、またはカルテット(quartet)という名に変わります。更に、そこにトランペット奏者も加わったとすると5人編成となり、五重奏、またはクインテット(quintet)という呼び方に変わります。
ピアノトリオによる作品では、純粋なピアノ演奏を楽しめることもあり、ビギナーだけでなくコアなジャズ愛好家にも根強い人気があります。
■トリオ作品を多く残したピアニスト
ビル・エヴァンス(Bill Evans)
オスカー・ピーターソン(Oscar Peterson)
レッド・ガーランド(Red Garland)
アーマッド・ジャマル(Ahmad Jamal)
トミー・フラナガン(Tommy Flanagan)
エロル・ガーナー(Erroll Garner)
ラムゼイ・ルイス(Ramsey Lewis)
キース・ジャレット(Keith Jarrett)
など
売りたいあなたには知ってほしい、ピアノトリオ人気作品
ジャズは多くの音楽好きから愛される音楽ジャンル。その中でもピアノトリオによる作品は安定して人気が高い印象です。
人気は高価買取が可能かどうかを左右する大きな要素でもありますから、もしピアノトリオによる貴重なレコードをお持ちなのであれば、買取専門店へ査定のお申し込みをしてみることをお勧めします。
ピアノトリオ名作といわれるものにはどのようなものがあるか、エコストアレコードがここでいくつか紹介してみます。
Horace Parlan / Us Three(Blue Note, 型番:BLP 4037)
1960年発表。
ジャズの名門レーベル、ブルーノートにおけるピアノトリオ名盤といえば間違いなくこのアルバム。ピアニスト、ホレス・パーランの『アス・スリー』。
パーランは生まれた年に病が原因で右手が部分的に不自由に。しかし、彼はそのハンディキャップを、左手で巧みに打鍵し右手の不利を補うことでカバーしました。
この作品の1960年当時発売されたオリジナルはとにかく数少なく珍しいうえ、高額盤ということでもジャズファンの間では有名です。中古市場でも滅多にお目にかかれない、まさにお宝のような一枚です。
言うまでもなく買取で非常に高額になる作品です。状態が良好であれば10万円前後での買取になります。
Bill Evans / Trio 64(Verve, 型番:V6-8578)
1964年発表。
ビル・エヴァンスは言わずと知れた米国人ジャズピアニスト。マイルス・デイヴィスの歴史的傑作『Kind Of Blue』にも参加した他、数々の優れたリーダー作品を発表、彼はモダンジャズにおいて最も評価が高いミュージシャンのひとりです。
このアルバムは、デビュー以来在籍していたリバーサイドを離れ、ヴァーヴから発表したピアノトリオ作品。ベース奏者はゲイリー・ピーコック、ドラマーにはポール・モチアンが参加。
ヴァーヴ時代には幾つもの作品をリリースしていますが、その中でもピアノトリオ名作としてファンに愛されるアルバムです。
Oscar Peterson / We Get Requests(Verve, 型番:V-8606)
1964年発表。
オスカー・ピーターソンはカナダ・モントリオール出身のジャズピアニスト。ジャズを始める前はクラシック音楽のピアノを勉強して演奏していたとのこと。
1949年に名プロデューサー、ノーマン・グランツが主催するJATP(ジャズ・アット・ザ・フィルハーモニック)の一員として米国ニューヨークにあるカーネギーホールでパフォーマンス、大きな成功を遂げました。
その後、グランツが設立したレーベル、ヴァーヴと契約。以降、60年代半ばまで同レーベルへ多くの作品を吹き込み、名盤と呼ばれる傑作を数多く残しました。
本作はそんなヴァーヴから発表した作品群では後期の一枚。ベースにはレイ・ブラウン、ドラムにはエド・シグペンという彼が全幅の信頼をおくトリオでの演奏。「イパネマの娘」や「酒とバラの日々」などを収録、当時大ヒットしたボサノヴァの名曲からスタンダードまで、華麗なピアノを余すことなく披露しています。
その内容の良さは、ピアノトリオ作品としてジャズ界随一。また、この作品のオリジナルは殆どがステレオ盤ですが(型番:V6-8606)、数が少ないモノラル盤の方が価値は高く、中古レコードとしてはモノ盤の方が高く買取されます。
山本剛 / ミッドナイト・シュガー(Three Blind Mice, 型番:TBM-23)
1974年発表。
近年、世界中でますます人気が高まっている日本のジャズレーベル、スリー・ブラインド・マイス(TBM)。米国で生まれたジャズという音楽は、50年以降 日本でも独自の発展を遂げ、本場に勝るとも劣らない至高のアルバムが録音されてきました。
同レーベルの作品は、リリースされた当時 我が国ではどれも実際のクオリティよりも評価が低かったようです。しかし、ここ十数年になると人気はグングン上がる一方。市場で見かける頻度もめっきり減り、いつしかファンにとっては喉から手が出るほど欲しい希少なレコードに。
こちらはTBMを代表するピアニスト、山本剛のデビュー作にして傑作ピアノトリオアルバム。まだ25歳とは思えない、ベテランの余裕すら感じる玄人好みな演奏が世界規模で大人気です。
当店ではこちらの商品の帯と冊子が付属する状態が良好なものを10,000円で買取しております。
ジャズのピアノトリオ作品、レコード買取ならエコストアまで
ビル・エヴァンス、オスカー・ピーターソン、レッド・ガーランド。ジャズの人気作品にはピアノトリオによる録音作品がいくつもあります。
ビッグバンドのような大編成での演奏も最高ですが、トリオ編成での少人数演奏も非常に魅力的です。
そんなピアニスト作品のレコードには高額になるものが多々あります。中には思わず驚くような金額で売買されるものまで。
「昔買って聴いていたジャズのレコード。最近はもう聴いていないから売ってみようかな?」とお考えのあなた。
中古レコードの買取なら是非ともエコストアレコードにお任せください。
あなたがそのレコードを大切にしているように、一枚一枚、私どもが丁寧に査定致します。
そのレコード愛、ジャズ愛を別の持ち主に繋ぐ重要な役割を当店が責任もって果たします。
買取に関するご不明な点がございましたら当店受付までお気軽にお問い合わせください。
筆者: 福田俊一(ふくだ・しゅんいち)
FTF株式会社 制作部/販売部兼務。買取部門のコラムやnoteのほか、販売部門の特集コラムを執筆。大学卒業後にレコード収集に興味を持ち、約15年かけてジャズレーベル、ブルーノートの(ほぼ)すべてのLPをオリジナルで揃えた。